2014年に大好評を博したFree Soulと「BARNEYS NEW YORK」のダブルネーム・コンピ『Free Soul Decade Standard』のスペシャル拡大版となる『Free Soul 21st Century Standard』が3/25にリリースされます。70年代ソウルのアコースティックでメロウ&グルーヴィーな音楽性を礎に、ジャズやヒップホップ、LAビートやUKベースの要素が理想的に融合した、珠玉の21世紀アーバン・ミュージック集大成。マーヴィン・ゲイ〜スティーヴィー・ワンダー〜プリンスらブラック・ミュージックの偉人たちの影を宿したとびきりの至宝が連なり、ボビー・コールドウェル/マイケル・ジャクソン/ロバータ・フラック/ファイストなどのカヴァーも絶品ばかりの、まさに“ベスト・オブ・21st・センチュリー”と言うべき錚々たる顔ぶれが揃う82分24秒。アプレミディ・セレソンでお買い上げの方にはもれなく(通販含む)、橋本徹・選曲のスペシャルCD-R『Free Soul 21st Century Standard ~ Another Edition』と『Cafe Apres-midi 15th Anniversary ~ Neo-Acoustic』をプレゼント致しますので、お見逃しなく!
『Free Soul 21st Century Standard』ライナー(橋本徹)
Free Soulが20周年を迎えた2014年に、セレクトショップ「BARNEYS NEW YORK」とのダブルネームで企画され、大好評をいただいた『Free Soul Decade Standard』の、スペシャル兄弟編として登場する『Free Soul 21st Century Standard』。まさしく都市型音楽のニュー・スタンダードと呼ぶに相応しい現在進行形クラシックを豊富に有するUNIVERSAL音源を中心とした、21世紀の“All Around Soul Music”の決定版セレクションだ。
70年代ソウルのアコースティックでメロウ&グルーヴィーな音楽性を礎に、ジャズやヒップホップ、LAビートやUKベースの要素が理想的に融合した、21世紀のアーバン・ミュージック。ソウルクエリアンズに端を発するポスト・ディアンジェロ~エリカ・バドゥのネオ・ソウルの潮流と、ロバート・グラスパーに代表される新世代ジャズのセンスが溶け合い、Q・ティップ~コモンへの憧憬やJ・ディラへの共感からビート・ミュージックが研ぎ澄まされ、ビルド・アン・アークを起点にスピリチュアルなジャズが再解釈されていき、オーガニックなフォーキー感覚やシャーデー~ミニー・リパートンへの敬愛が花開いた、ここ10年ほどの音楽シーンの概要については、
『Free Soul Decade Standard』のライナーで解説したので、まさに“ベスト・オブ・21st・センチュリー”という感じの錚々たる顔ぶれが揃ったこの『Free Soul 21st CenturyStandard』では、シンプルに収録各曲の魅力に迫っていくこととしたい。マーヴィン・ゲイ~スティーヴィー・ワンダー~プリンスを始めとするブラック・ミュージックの偉人たちの影を宿した、深く胸に沁みる歌と珠玉のサウンドに彩られたとびきりの至宝が80分以上にわたって連なる、ジャズとソウルとクラブ・ミュージックの蜜月の集大成だ。
優美なストリングスに導かれるオープニングはライの「Open」。シャーデーへの限りない愛情とリスペクトが結実したような、ロビン・ハンニバルによる典雅なサウンド・メイキングとミロシュの儚くも美しい歌声。ロビン・ハンニバルが女性ヴォーカルのココ・Oと組むクアドロンともども、僕の“2010s Urban-Mellow”という選曲コンセプトの中心を担う存在で、胸を焦がされる名曲「The Fall」は、昨年初めに編んだコンピ『Free Soul ~ 2010s Urban-Mellow Supreme』にセレクトしている。
続くプラティナム・パイド・パイパーズの「Open Your Eyes」は、2000年代前半にアメリカ西海岸のユビキティー・レーベルによって企画された、現行のクラブ系アーティストが影響を受けた名作を自らリメイクする人気シリーズ“Rewind!”から。ご存じボビー・コールドウェルのカヴァーだが、これはこの曲が脚光を浴びるきっかけになった、J・ディラによるサンプリング・プロダクションが絶品のコモン「The Light」を最も過不足なく踏まえた好ヴァージョン。変名で素晴らしい歌を披露しているのは、PPPとはデトロイト・タッグとなるドゥウェレだ。彼は自身の名義でも同じ曲を吹き込んでいて、そちらは2009年に作った『Mellow Voices ~ Beautifully Human Edition』に収めた。歌詞にも思いを託したくなる素敵なラヴ・ソングで、個人的にも思い出の一曲。これをライセンス使用できたことが、『Free Soul 21st Century Standard』を制作する大きな原動力となった。他にも“Rewind!”シリーズには、改めて聴き直す価値のあるトラックが多いことも、付け加えておこう。
『Free Soul ~ 2010s Urban-Mellow Supreme』にはジャミロクワイ~ブラン・ニュー・ヘヴィーズ的なアーバン・グルーヴ・ナンバー「Ooo La La」を選んだロビン・シックは、今回は愛してやまない最新ヒットの「Get Her Back」と迷ったが、これほど繊細な曲が大ヒットするのかと感激したのが忘れられない「Lost Without U」を。ファレルが見出したブルー・アイド・ソウルマン、という説明はもはや不要だろうか。儚げなセンティメントをたたえた、ナイーヴなアレンジメントと切ない歌唱が琴線に触れる。マーヴィン・ゲイの影がよぎる、と感じるのは僕だけではないだろう。
Q・ティップとノラ・ジョーンズの「Life Is Better」は、選曲の核として考えていた言わずもがなの人気曲。最高のラヴ・ソングであり、ヒップホップ讃歌。歌とラップの絶妙なコンビネイションが視覚的なセンスにもマッチしたPVも印象的だった。作家クレジットのひとりに名を連ねるジャズ・ピアニスト、今をときめくロバート・グラスパーは、ノラ・ジョーンズの同窓生でもある。Q・ティップの2008年のアルバム『The Renaissance』における、この曲からディアンジェロをフィーチャーした「Believe」へとつながる流れが、僕の“2010s Urban-Mellow”というイメージの源泉になっている。
そしてジャズ・トランペット奏者ロイ・ハーグローヴのプロジェクト、RH・ファクターの「Poetry」は、さらに『Free Soul 21st Century Standard』で重要な役割を果たす名作。まさにジャズとソウルとヒップホップの理想的な融合だと思う。Q・ティップ&エリカ・バドゥの揃い踏み。完璧なドラミング。ヴァイブのような音色が耳に心地よい抑制の効いたアレンジから、しだいに解き放たれ光が見えてくるようなグッとくる展開には、70年代スカイ・ハイ・プロダクションズの諸作を思いだす。僕はロイ・ハーグローヴももちろん参加したディアンジェロ『Voodoo』~コモン『Like Water For Chocolate』の2000年から、RH・ファクター『Hard Groove』の2003年までを、ソウルクエリアンズの全盛期と考えていて、そこで蒔かれた種が育ち、彼らの遺伝子が成熟することによって、昨今の21世紀のアーバン・ミュージックの充実はもたらされた、という歴史観を抱いている。
続いて登場するレミー・シャンドの「Rocksteady」は、個人的にとっておきの一曲、というかとびきりのフェイヴァリット。2002年にモータウンが自信をもって送りだしたブルー・アイド・ソウルマンだが、スライ・ストーン~マーヴィン・ゲイを思わすこれは、とりわけ絶品だと思う。ウォーキング・テンポに乗った、胸を震わせる色気のあるメロディーと繊細かつソウルフルな歌は、メロウネスとサウダージの香りも漂わせ、“21世紀のヴィンテージ・ソウル”という趣きさえ感じさせる。
そしてコモンとの2015年グラミー賞およびアカデミー賞での名演が記憶に新しいジョン・レジェンド。そこでも素晴らしく鮮烈な印象を残した、時代へのメッセージ性あふれる傑作としては、『Free Soul ~ 2010s Urban-Mellow Supreme』のハイライトとしたジョン・レジェンド&ザ・ルーツfeat.コモン&メラニー・フィオナ「Wake Up Everybody」がまさしく金字塔だが、この「Take Me Away」は、まろやかでジェントルな歌声がボサ・フレイヴァーの心地よいビートに乗るラヴ・ソング。カニエ・ウェストに見出され、ヒット曲も数多い彼の、隠れ名曲と言っていいだろう。そう、彼の優しいヴォーカルは、甘美なラヴ・ソングにおいて、より一層その輝きと魅力を増すのだ。
キュートな才女エスペランサ・スポルディングの「I Can’t Help It」は、スティーヴィー・ワンダーがマイケル・ジャクソンに書いた名曲のカヴァー。もともとはシングル・ヒットした曲ではないが、90年代にデ・ラ・ソウルがサンプリングしたあたりから、メロウ・クラシック化していった。近年はグレッチェン・パーラトなどに象徴されるように、ジャズ・ヴォーカル必須曲のようにもなっていて、このエスペランサ版も、ジョー・ロヴァーノらが参加した独特の浮遊感が耳をくすぐるジャズ・ミュージシャンらしい好アプローチ。“2010s Urban-Mellow”という観点では、この曲をモティーフとしたクアドロンによるMJへのオマージュ「Neverland」と、テラス・マーティンによるクインシー・ジョーンズを迎えたヴォコーダー・カヴァーも特筆しておきたい(それぞれ『Free Soul ~ 2010s Urban-Mellow』と『Free Soul ~ 2010s Urban-Sweet』に収録)。エスペランサ・スポルディングの2012年作『Radio Music Society』が、タイトルも示すように、2010年代のアーバン・ミュージックとしてのジャズにとって、ロバート・グラスパー・エクスペリメントの『Black Radio』と双璧をなす重要盤であることも。
マイロンの「Beautiful Love」は、2000年代ネオ・ソウルのスティーヴィー・ワンダーという感じの愛すべきアコースティック・メロウ。ハートウォームな佇まいにも魅せられ、僕はリリースされたとき一聴して気に入ったのを憶えている。ロバート・グラスパー/ミシェル・ンデゲオチェロとのコラボレイション作、というのも多分に示唆的で、僕は2008年にコンパイルした『Mellow Voices ~ Wonder Love Collection』でもオープニングに収めている。
インディア・アリーもやはり、スティーヴィーを深く敬愛する歌姫。彼の名曲のタイトルがいくつも歌詞に織り込まれたトリビュート・ソング「Wonderful (Stevie Wonder Dedication)」も残しているが、この「Private Party」は、彼女のチャーミングな魅力あふれるアコースティック・グルーヴィー・ソウル。女性らしい心情が歌われる中に、ここでもスティーヴィー「Happy Birthday」のサビのフレーズ&メロディーが挿入され、その素直でウィットに富んだ愛情表現に好感を抱かずにいられない。
PPPとの「Open Your Eyes」に続き、再び登場のドゥウェレもまた、スティーヴィー・ワンダーそしてプリンスの影響を感じさせる、ネオ・ソウル期を代表する男性歌手。僕はシングルになっていない比較的埋もれがちな曲にも好きなものが多いが、カジュアルで快いリズムに乗ったこの「Let Your Hair Down」もそんな一曲。「肩の力を抜いてナチュラルに、自分らしくリラックスして」という感じで男が女に語りかけるときに使う、この曲名の英語表現、そのニュアンスも僕は好きなのだ。
そしていよいよコモン「The Light」。ヒップホップ史上最高のラヴ・ソング、とさえ思うのは僕の世代だからか。ディアンジェロ『Voodoo』と並ぶソウルクエリアンズを象徴する名盤と誉れ高い『Like Water For Chocolate』の顔と言える、まさにアンセム。J・ディラによるボビー・コールドウェル「Open Your Eyes」のサンプル・ワークには、これほど効果的かつオリジナリティーあふれる使い方があるのか、と本当に感激した。ソング・リサイクルかくあるべし、というまさしく手本であり指標。親密なジョン・レジェンド同様、ラヴ・ソングにも秀でたコモンの誠実なキャラクターにも相応しい。彼の作品では、エリカ・バドゥが歌うこの曲のリミックスや、メアリー・J.ブライジとのやはり胸を打つラヴ・ソング「Come Close」、『Free Soul Decade Standard』のオープニングとしたJ・ディラ×コモン×ディアンジェロ版の兄弟ヴァージョンとなる「So Far To Go」も、重要な選曲候補としていたことを、付記しておこう。
エリカ・バドゥも言わずもがな、ソウルクエリアンズの面々と共に、21世紀のアーバン・ブラック・ミュージックを体現してきた最重要アーティストのひとりだ。彼女の音楽もまた、ソウルとジャズとヒップホップの理想的なマリアージュ。Free Soulファンが歓喜するようなカヴァー/サンプリングによるメロウ・チューンも目白押しで、収録したい曲は枚挙に暇がないが、今回はもはやクラシックの風格さえ漂う「Window Seat」を。淡々としたメロウネスがかえって深くじんわりと胸に沁み入るマスターピース、印象的なPVもセンセイショナルな話題を呼んだ。『Free Soul ~ 2010s Urban-Mellow』に入れたボノボとの「Heaven For The Sinner」や、『Ultimate Free Soul Blue Note』に入れたロバート・グラスパー・エクスペリメントとの「Afro Blue」を筆頭に、最近のエリカ・バドゥは客演にも素晴らしいものが多く要注目。
続くビラルの「Soul Sista」は、ディアンジェロと並び称されるように現れた彼の個性をシーンに強く印象づけた、2000年代初頭のソウル・クラシックといった佇まい。プロデュースは90年代トニ・トニ・トニの頃からの要人ラファエル・サーディク、ヴォーカル・アレンジメントにアーバン・ブラックの生き証人ジェイムス・エムトゥーメというクレジットも嬉しい。ほどよいレイドバック・フィーリングも気持ちよく、ニュー・クラシック・ソウル以降のネオ・ソウルの時代のヴィンテージ感覚の結実、というのが僕のファースト・インプレッションだった。J・ディラ~ソウルクエリアンズからドクター・ドレまでプロダクションに関わった2001年のデビュー・アルバム『1st Born Second』より。実は使用許可を得ていたラファエル・サーディク&ディアンジェロの「Be Here」と、どちらを収録するか悩んだが、最後はこちらを優先させた。
ネオ・ソウル~ネオ・フィリーの隆盛と共に人気を集めたミュージック・ソウルチャイルドことターリブ・ジョンソンが、ミュージック名義で2002年にヒットさせた「Halfcrazy」は、何と全米No.1アルバムとなった彼のセカンド『Juslisen』からのリード・シングル。スティーヴィー・ワンダーを彷彿とさせる歌声、切ないアコースティック・ギターの響き、フランス映画「パリのめぐり逢い」のフランシス・レイのサンプリング。僕もFMで聴いて、こんな洒落たソウルがメインストリームで好まれているのかと、すぐにCDを買ったのが懐かしい。
そしてやはり21世紀が始まった頃、彼女の登場は衝撃的だった。そう、もちろんアリシア・キーズ。才色兼備の歌姫、いわゆるソウル・マニアに属する“うるさがた”も唸らされていたのが痛快だった。吸引力と説得力、本当に歌のもつ力を実感させられる。一曲だけ選べと言われたら、やはりこれ、「If I Ain’t Got You」に尽きる。最近はウエディング・パーティーの際に歌われることも多いと聞く、絶対的なラヴ・ソングだ。ピアノを弾きながら歌う彼女の姿が浮かぶ。
さらに真打ち登場と言うべきか、ディアンジェロの「Feel Like Makin’ Love」。Free Soul的な音楽観では指折りの重要人物であるユージン・マクダニエルズが書いて、ロバータ・フラックがヒットさせ、マリーナ・ショウやメタ・ルースでも人気を呼ぶ名曲。僕はこの曲の歌いだし、冬から春へと移ろう季節の描写がたまらなく好きなのだ。多くの名唱が生まれた、紛れもないソウル・スタンダードだが、ディアンジェロは唯一無二、これほどオリジナリティーに満ちたカヴァーはかつてなかった。ハンドクラップに乗って淡々と進むグルーヴと、ファルセットでつぶやくような歌声が、こんなに情感豊かに響くとは。聴けば聴くほどに引き込まれ、中毒的に惹かれてしまう。『Free Soul 21st Century Standard』と名乗りながら、2000年の作品もエントリーに含めたのは、ソウルクエリアンズの重要性も大きな要因だが、この曲とコモン「The Light」なしに(個人的な思い出も絡めたパーソナルな)選曲のストーリーは描けないからだ。
2000年以降のリスニング体験の中で、ディアンジェロの『Voodoo』に匹敵する音楽的な衝撃を挙げるとすれば、僕はジェイムス・ブレイク以外に考えられない。2011年前半、ちょうど大震災に見舞われた頃、ひたすら聴いていたのが彼のファースト・アルバムだった。時代・後続に与えた影響とオリジナリティーという面でも、両者は並び称すべきだと思う。ファイストとゴンザレスが共作したこの「Limit To Your Love」のカヴァーは、そうしたある種のモニュメントとして。空間を揺るがす深いグルーヴと、ストイックに抑制された音の配置、そして存在感あふれる歌声。UKベース~ポスト・ダブステップの地平に生まれた、極めて優れた歌ものであると同時に、僕は胸の奥深くに響くピュアなブルー・アイド・ソウルとして聴いている。『Free Soul ~ 2010s Urban-Mellow Supreme』に彼のジョニ・ミッチェル「A Case Of You」のカヴァーを収めたのも、そんな心境の表れだったのかもしれない。
ラストはNYジャズに根ざしたアーバン・ミュージックの旗手として、これも真打ち登場と言いたくなるロバート・グラスパーに締めくくってもらおう。曲は彼が心酔するJ・ディラへのオマージュ、その代表作がメドレーのように奏でられる「J Dillalude」。ジャズマンからのヒップホップへの真摯な愛情表現であり、ジャズとヒップホップが共存・融合する時代の始まりを告げた記念碑。これがグラミーも受賞したロバート・グラスパー・エクスペリメント『Black Radio』へと発展していったのだ。初めて聴いたときは、スラム・ヴィレッジ「Fall In Love」の美しいフレーズが出てきた瞬間、思わず瞳が潤んでしまった。素晴らしきメランコリーを伴った、ハービー・ハンコックとJ・ディラを結ぶ試みの結晶。過去を愛することと未来を切り開くこと、ここに込められたメッセージは大きかったと僕は思う。
というわけで、ここまででトータル82分24秒。当初はさらに最後にコリーヌ・ベイリー・レイの「Put Your Records On」を、と考えていたが(僕はこの曲の歌詞も大好きで、サビの一節を座右の銘のように選曲に携わっているのだ)、さすがにタイム・オーヴァー。他にも使用許諾をもらっていた曲で、マッドリブの「Young Warrior」やトリーナ・ブラッサードの「Losing My Mind」、僕がこれまでに作ったコンピレイションにすでに収録していたフランク・オーシャンやホセ・ジェイムス、クリス・バワーズ&クリス・ターナーなどが惜しくも選にもれてしまったが、『Free Soul 21st Century Standard』の名に相応しい、100パーセント納得のいくセレクションにすることができたと思う。全体を通して、僕なりのJ・ディラへのトリビュートの思いが、通奏低音として流れていることにも、気づいてもらえたなら嬉しい。ぜひ皆さんに、繰り返し聴いていただき、楽しんでもらえたら、選曲者としてはこの上ない喜びだ。僕自身もこれは、記憶の温もりに包まれながら、繰り返し聴くCDになるんじゃないかな。
01. Open / Rhye
02. Open Your Eyes / The Platinum Pied Pipers feat. Dwele
03. Lost Without U / Robin Thicke
04. Life Is Better / Q-Tip feat. Norah Jones
05. Poetry / The RH Factor feat. Q-Tip & Erykah Badu
06. Rocksteady / Remy Shand
07. Take Me Away / John Legend
08. I Can't Help It / Esperanza Spalding feat. Joe Lovano
09. Beautiful Love / Myron
10. Private Party / India.Arie
11. Let Your Hair Down / Dwele
12. The Light / Common
13. Window Seat / Erykah Badu
14. Soul Sista / Bilal feat. Raphael Saadiq
15. Halfcrazy / Musiq
16. If I Ain’t Got You / Alicia Keys
17. Feel Like Makin' Love / D'Angelo
18. Limit To Your Love / James Blake
19. J Dillalude / Robert Glasper