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Gigi Masin『Gigi Masin For Good Mellows』

通常価格(税込): 2,500
販売価格(税込): 2,500
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Toru Hashimoto Compilation > Good Mellows

2015年からスタートし国内から海外まで広く大絶賛・大好評を博している“Good Mellows”シリーズ待望の最新作として、絶大な再評価が進んでいるイタリアの生ける伝説にしてチルアウト・メロウ・ピアノ・アンビエントの最高峰、ジジ・マシンのキャリア集大成ベスト盤『Gigi Masin For Good Mellows』が4/12に先行入荷します。“新しい室内楽”を象徴する、ひたすら美しくメランコリックな旋律と音のレイヤーが儚くも琴線に触れる心象風景、リリカルで叙情性に富んだジャジーに揺らめくシネマティックな音像、心地よく甘美な至宝がしなやかに連なり、柔らかな詩情と優美なメロディーが音楽の桃源郷へと誘う夢見心地の82分25秒。トゥ・ロココ・ロット〜ビョーク〜Nujabesなどのサンプル・ソースとしても名高い「Clouds」などの代表的な名曲群、Gaussian Curveを始めとするポスト・ニューエイジ〜バレアリック・チルアウト・アンビエントな関連プロジェクト、まさに珠玉のような入手困難作、そして秘宝と言うべき未発表音源もフィーチャーした、初来日を祝福する決定版コンピレイションです。読書のBGMや、ぼんやりと物思いにふけりながら静かに眠りに落ちていく、夢の入り口の音楽としてもおすすめ。アプレミディ・セレソンでお買い上げの方にはもれなく(通販含む)、FJDアートワークによる“Good Mellows”のポストカードとジジ・マシン本人推薦の未発表音源3曲入りCD-R、橋本徹・選曲のスペシャルCD-R『Cafe Apres-midi Tribute To Tommy LiPuma Works』(2枚組)と『Free Soul Tribute To Leon Ware Works』をプレゼント致しますので、お見逃しなく!


『Gigi Masin For Good Mellows』ライナー(橋本徹)

2015年春にスタートして、国内から海外まで幅広くご好評いただいているSuburbia Recordsの看板シリーズ“Good Mellows”。その通算8作目のコンピレイションとして、『Cantoma For Good Mellows』以来2枚目となる単体アーティスト・ベスト盤、『Gigi Masin For Good Mellows』が完成した。しかも、長らく待ち焦がれていたジジ・マシン初の来日公演を祝福するタイミングで。

絶大な再評価が進んでいるジジ・マシンは、言ってみればイタリアの生ける伝説にして、チルアウト・メロウ・ピアノ・アンビエントの最高峰。そんな彼のキャリア集大成盤に相応しく、人気の高い代表的な名曲群はもちろん、Gaussian Curveを始めとするポスト・ニューエイジ〜バレアリック・チルアウト・アンビエントの精粋を担う関連プロジェクト、珠玉のような知られざる入手困難作、そして秘宝と言うべき未発表音源もフィーチャーして、敬愛の念をこめ紡いだ82分19秒。収録を希望した楽曲のライセンスはすべてかなえられ、曲順もひと筆描きのように決まった。コンピ『Good Mellows For Sunset Feeling』における、トゥ・ロココ・ロット〜ビョーク〜Nujabesなどのサンプリング・ソースとしても名高い「Clouds」の世界初CD化から2年、コレクター垂涎だった幻のレア名盤ファースト『Wind』の、Suburbia Recordsによるボーナス・トラック&ボーナス・ディスク付きの世界初CD化から1年、まさしく感無量とはこのことだ。

そう、思えば僕とジジ・マシンの出会いは、2000年代が始まったばかりの頃。1999年にリリースされとても惹かれていたトゥ・ロココ・ロットの「Die Dinge Des Lebens」でサンプル・ループされていたのが、世紀の名曲「Clouds」だった。やはりその曲が大好きだった友人でもあるNujabesが、ファイヴ・ディーズ「Latitude」のリミックス12インチのために、あの印象的なフレーズのピッチを早めて引用したのが2002年。同じ頃ビョークの「It's In Our Hands」にもサンプリングされたこともあり、「Clouds」はやがて知る人ぞ知る存在になっていく。

その後の「Clouds」関連作では、ジャズ〜ソウルの巧みなサンプル・ワークでエレガント&チルアウト・フィールな好ディープ・ハウスを数多くリリースしているドイツのMoomin(『Good Mellows For Sunrise Dreaming』には彼の「Aquarama」を収録)による「A Day And A Night」と共に、クラウド・ラップの雄Main Attrakionzの「Church」を忘れることができない。プロデュースを手がけたのは、先頃27歳の若さで亡くなってしまったJames Laurenceを含むFriendzoneだ。「End Of The Road」で『Good Mellows For Sunrise Dreaming』のエンディングを飾ったUyama Hirotoのこともリスペクトしてやまないという彼らは、ジジ・マシン本人も気に入ったというこのトラックを、Nujabes追悼の思いをこめて作ったと、インタヴューで語っていた。

そして2014年には、オランダのレーベルMusic From Memoryで、“Good Mellows”を発想するアイディアの源泉のひとつともなった、レア&未発表作品集『Talk To The Sea』が編まれ、ジジ・マシン再評価の声は決定的に高まっていくことになる。『Good Mellows For Sunset Feeling』には「Clouds」とヤング・マルコ/ジョニー・ナッシュとのユニットGaussian Curveによる「Impossible Island」が収められ、『Good Mellows For Stardust Memory』には限定250枚リリースだった48ページにおよぶアートブック(詩集&写真集)付きの2016年作『Plays Hazkara』から「My Red Rose」がエントリーされた。

ジジ・マシンの詳しい経歴などについては、Music From MemoryのアンソロジーもコンパイルしているChee Shimizuの書いてくれた、とても丁寧なバイオグラフィーを読んでいただけたらと思う。また、すべての“Good Mellows”コンピに加え、NujabesやCalmの作品のデザインも手がけているFJDが、今回も素晴らしいアートワークを提供してくれた。心地よく甘美な至宝がしなやかに連なり、柔らかな詩情と優美なメロディーが夢幻の桃源郷へと誘う『Gigi Masin For Good Mellows』の世界観が、過不足のない美しさで描かれている。

“新しい室内楽”(Les Nouvelles Musiques De Chambre)が奏でる、幻想的でメランコリックな旋律と音のレイヤーが儚くも琴線に触れる心象風景。リリカルで叙情性に富んだ、メロウ&ジャジーに揺らめくシネマティックな音像。僕はさっそく、何となくぼんやりと物思いにふける時間にとても重宝している。読書のBGMや瞑想のひとときにも、きっと最適だろう。そして何よりも、これは眠りに落ちていく、まさにその瞬間に流れていてほしい音楽。それは夢の入り口、もちろん穏やかなめざめのグラデイションにも、この上なく心地よく響くだろうけれど。

クラブ〜チルアウト・ミュージックやブライアン・イーノに代表されるアンビエント・ミュージックの愛好家は言うまでもなく、ECMなどのジャズ・ファン、坂本龍一/中島ノブユキ/ゴンザレス『Solo Piano』やメランコリック・エレクトロニカを愛するクワイエット・リスナーといった、少しでも多くの音楽ファンに聴かれてほしいと、心から願う。『Gigi Masin For Good Mellows』、責任をもって大推薦します!


『Gigi Masin For Good Mellows』ライナー(Chee Shimizu)

太陽光を反射し、眩い輝きを放つアドリア海。その最深部の潟に築かれた古都、ヴェネチア。海の碧に建造物の白と橙のコントラスト、クラシカルで端正な景観を有するこの街で生まれ育ったジジ・マシンが奏でる音楽は、まさにヴェネチアの風景そのものだ。柔らかな波面のように静閑にリフレインするメロディーとハーモニーに身を委ねていると、まるで海に浮かんでいるような気分になる。どこかに流れ着くわけでもなく、ただ浮遊しているうちに、母なる海に溶け込んでしまうかのような。

物語のはじまりは70年代にさかのぼる。地元ヴェネチアのラジオ局でDJの職についたマシンは、ブライアン・イーノが提唱をはじめたアンビエント・ミュージックや前衛音楽を紹介するかたわら、詩人で作家のマッシモ・パラディーノとともに劇場やTV、ラジオ放送のための小曲を手がける。自身の創作においてはオープン・リールやターンテーブル、ライヴ・エレクトロニクスをもちいた前衛的なアプローチを試みていた。商業主義的な音楽業界に関心のなかったマシンは、1984年、The Bear On The Moon(月の熊)と名付けたプライヴェイト・レーベルを創設し、日ごろ録り溜めていたギター曲をまとめた『Sounds: Demo Tapes』を、1985年にはシンセサイザーとシーケンサーで実験を試みた『Stage Music』を制作する。いずれもカセットテープによるもので、『Stage Music』は翌年に発表する初のアナログ・レコード、『Wind』のプロトタイプといえる作品だったそうだが、2007年にヴェネチアを襲った洪水によってマシンはすべてを失い、残念ながらもう聴くことはできない。そして1986年、象形文字のような図柄で埋め尽くされた深い碧のカヴァーと、マジック・ペンで手書きされた雲の絵をレーベルに施したアルバム、『Wind』が誕生する。発表当時の反応をもはや知る由もないが、この奇跡の1枚が自主製作盤であること、その後数十年にわたる忘却の道を歩んだことを思えば、容易に想像がつくだろう。

1988年、マシンは1枚のアルバムに出会う。ベルギーの首都ブリュッセルを拠点に、黎明期の電子音楽から前衛音楽までをフォローするレーベルSub Rosaのコンピレイション・アルバムだ。1988年に同レーベルから発表されたコンピレイションは複数あり定かではないが、マシンの音楽性からして、ベンジャミン・リューとコントロールド・ブリーディングのスプリット・アルバム『Les Nouvelles Musiques De Chambre』と思われる。前衛的なアプローチと浮遊感のあるアンビエンスを兼ね備えた稀有な感性を持つベンジャミン・リューに、カテゴライズ不能な実験音楽を邁進するコントロールド・ブリーディングをカップリングしたスプリット・アルバムという形態、そして、これらの音楽を理解し、作品を発表するSub Rosaにシンパシーを感じたのかもしれない。感銘を受けたマシンはささやかな期待をもって、アルバム『Wind』をSub Rosaへ送り、反応を待つことにした。その回答は大いに喜ぶべきものだった。マシンの音楽に共感したSub Rosaは、『Les Nouvelles Musiques De Chambre』の次回作のためにマシンへ楽曲の提供を依頼し、イギリスのバンド、ディス・ヒートの中心人物、チャールズ・ヘイワードとのカップリングによって、それは実現する。マシンはこの作品のために8曲を用意し、そのなかには伝説の名曲「Clouds」が含まれていた。

1990年、マシンは地元ヴェネチアのインディペンデント・レーベルDivergoのコンピレイション・アルバム『Les Mysteres Des Voix Vulgaires』に、ジジ・マシン/ウィンド名義で2曲を提供する。1991年には、アレッサンドロ・モンティとのコラボレイション・アルバム『The Wind Collector』を同レーベルから発表する。Divergoの創設者、マルコ・パンディンは、『The Wind Collector』のアシスタント・プロデュースも務めた人物で、現在も音楽レーベルや雑誌の刊行をとおして、確固たる信念を貫くアナーキストだが、そんな氏のレーベルからマシンの作品が発表されていることも興味深い。

『The Wind Collector』を発表後、マシンは音楽の世界から身を引き、10年におよぶ沈黙の時代がはじまる。ふたたび作品を発表したのは2001年、1988年から1992年のあいだに録音した楽曲をまとめたアルバム『Lontano』で、わずか100枚のCD-Rに焼かれただけの、ごくプライヴェイトなものだった。すでに別の職についていたマシンは、一般的な生活を送りながら、気の知れた音楽仲間とともにときおりライヴ・パフォーマンスやレコーディングを行っていた。そのころに発表された作品として、ジュゼッペ・カプリオリとの共演『Moltitudine In Labirinto』(2003年)や、マルコ・パンディンがあらたに立ち上げたレーベルStella Neraからわずか51枚のみリリースされた、マッシモ・ベリッジとミルコ・サルヴァドーリとの共演『The Infant T(h)ree』(2010年)などがある。これらの作品は、マシンの音楽に対して現在多くの人が抱いているイメージとは一線を画す前衛的な内容だが、マシンの根底にある実験精神を伺い知れる、重要な作品だ。

マシンが音楽の世界から遠ざかる一方で、作品は徐々にひとり歩きをはじめる。ドイツ・ベルリンのポスト・ロック・バンド、トゥ・ロココ・ロットが1999年に発表したアルバム『The Amateur View』のなかで、『Les Nouvelles Musiques De Chambre Volume 2』に収録されていた「Clouds」をサンプリング・ソースとして使用し、2002年にはすでに世界的なアーティストとなっていたビョークが、同じく日本人クリエイターのNujabesがファイヴ・ディーズのリミックスにおいて同曲をサンプリングし、ネタ元の話題に事欠かない音楽愛好家たちの注目を集めることとなる。さらに、アメリカやヨーロッパ、そしてここ日本でも人気を博した次世代ディスコ・ムーヴメント、いわゆるニュー・ディスコ/バレアリック・ディスコ界隈でも、マシンの作品に対する評価がはじまる。すでにディスコを越境し、さまざまな音楽に触手を伸ばしていた好事家たちによって発見されたマシンのアルバムは、絶対数の少なさも手伝い、羨望の的となっていった。

そんななか、2014年に決定的な動きがあらわれる。オランダ・アムステルダムの中古レコード店、レッド・ライト・レコーズを運営する数人の仲間たちが立ち上げたレーベルMusic From Memoryが、マシンのコンピレイション・アルバムを発表すべく尽力し、『Talk To The Sea』を完成させる。彼らこそ、純粋にマシンの音楽に感銘を受け、ふたたび世に送り出した立役者だった。コンピレイションは実にアンビエントな内容であるにもかかわらず異例のヒットを記録し、マシンの名を一躍世界に知らしめることになるが、これほどまでに大きな受容性を秘めていたとは、当人たちも予想しなかっただろう。これを機にふたたび創作意欲を取り戻したマシンだが、その後の活躍は目覚ましく、ルチアーノ・エルモンディとパウロ・マッザカニによるユニット、テンペルホフとの共演作品や、ジョニー・ナッシュとヤング・マルコとのコラボレイション・グループ、ガウッシアン・カーヴとして新作を発表するなど、精力的な創作に取り組む一方、過去の作品も再発ラッシュが続いている。ライヴ・パフォーマンスのオファーも殺到し、ナイト・クラブやフェスティヴァルへのゲスト出演、さらには単独コンサートを開催するまでに至っている。

30余年の月日を経てようやく、そして想像をはるかに超える規模で真の評価を得たジジ・マシン。静かに、淡々と流れていく水のような音楽に、人々は何を想うのだろう。彼の音楽がこれからも聴き継がれていくことを願い、敬意を込めて、ジジ・マシンの言葉とともに最後を締めくくりたい。

「2007年の洪水で、私は作品、楽器、そして思い出をすべて失った。しかし、それは終わりではなく、あらたなはじまりだった」


01. Three Bridges / Gigi Masin
02. Talk To The Sea / Gigi Masin
03. Clouds / Gigi Masin
04. Tears Of Clown / Gigi Masin
05. lmpossible Island / Gaussian Curve
06. My Red Rose / Gigi Masin
07. The City Lights / Gigi Masin
08. Valerie Loop / Gigi Masin
09. When Julia Smiles / Gigi Masin
10. Stella Maris / Gigi Masin & Alessandro Monti
11. Along The Songlines / Gigi Masin
12. Swallows Tempest / Gigi Masin
13. Blue Weaver / Gigi Masin & Alessandro Monti
14. Call Me / Gigi Masin
15. The Dwarf / Tempelhof & Gigi Masin
16. One Saltlick Night / Gigi Masin
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