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V.A.『Good Mellows For Sunlight Breezin' EP』

通常価格(税込): 2,160
販売価格(税込): 2,160
ポイント: 20 Pt
2015年からスタートし大好評・大人気を博している“Good Mellows”シリーズ待望の最新作『Good Mellows For Sunlight Breezin'』が7/15に先行入荷します。サマー・ブリージンでクールで心地よいチルアウト・バレアリカから、陽の光を感じさせるピースフルでビューティフルなメロウ・ハウスまで、多幸感に満ちた甘美な至宝が83分にわたって連なる、過去最高とも言える楽園フレイヴァーきらめくキラー・チューンを満載した至福のファンタスティック・セレクション(しかも半分以上の曲が世界初CD化!)。また、そのコンピCDの中から、特にレコードが入手困難だった曲やDJユースに向いた曲を選りすぐった、6曲入りのアナログEPも同時リリース。アプレミディ・セレソンでお買い上げの方にはもれなく(通販含む)、FJDアートワークによるA3ポスターとポストカードとメモ帳、橋本徹・選曲のスペシャルCD-R(CD/EPどちらかの方には『Good Mellows For Sunlight Breezin' - Outtakes』、どちらもの方にはそれに加えて2枚組の『Good Mellows For Summer 2016』)をプレゼント致しますので、お見逃しなく!


『Good Mellows For Sunlight Breezin'』ライナー(橋本徹)

これまでにリリースされた4枚のコンピレイション『Good Mellows For Seaside Weekend』『Good Mellows For Sunset Feeling』『Good Mellows For Moonlight Rendezvous』『Good Mellows For Sunrise Dreaming』(単体アーティスト編『Cantoma For Good Mellows』も含めれば5枚となる)が、国内から海外まで幅広くご好評いただいたSuburbia Recordsの“Good Mellows”シリーズ。その最新作『Good Mellows For Sunlight Breezin'』は、過去最高とも言えるキラー・チューンを満載した、至上のプレミアム・コレクションになったと思う。

タイトル通り、サマー・ブリージンでクールで心地よいチルアウト・バレアリカから、陽の光を感じさせるピースフルでビューティフルなメロウ・ハウスまで、多幸感に満ちた甘美な至宝を選りすぐった至福のファンタスティック・セレクション。その選曲コンセプトと収録曲の音楽性を美しく視覚化した、FJDによるアートワークも相変わらず素晴らしい。爽快グルーヴィンで透明感あふれる優美なメロディーに、しなやかな叙情をたたえた柔らかいアンビエンス、瑞々しいオーシャン感覚とアトモスフェリックな麗しのサウンドスケープ。絶品のメロウ・チルアウト・グルーヴ名作が83分にわたって連なり、その半分以上の曲が世界初CD化というのも特筆すべき。街で、海で、ドライヴに、家やカフェやラウンジでくつろぐ時間に、ぜひ繰り返し聴いて、楽しんでいただけたら嬉しい。

オープニングを飾るのは、ドイツの名門レーベルCompostから2006年に放たれた、南アフリカの至宝Felix Labandによる至福のリミックス・シングル「Whistling In Tongues」(今作のライナーには“至”という漢字を何度も使うことになりそうだが、それも内容の充実を物語ると思う)。今や泣く子も黙るノルウェイの人気リミキサーTodd Terjeの名をとどろかせた出世作でもあり、彼のベスト・ワークと名高い一世一代の傑作リワーク。印象的なカリンバにフローティンなシンセやダビーなヴォイス・サンプル、美しいギター・リフに軽快なリム・ショットも心地よい、音のシャワーを浴びるようなまばゆいように揺らめく音像は、まさに極上ファンタスティック・バレアリカ。アフリカン・ミュージックを基調に生楽器の響きも素敵なイマジネイション豊かなエレクトロニカ・アンビエント秀作であり、ダビー&ジャジーそしてメランコリックな魅力を併せもつ2005年のサード・アルバム『Dark Days Exit』に収められたオリジナル・ヴァージョンももちろん最高だが、この12インチのB面には、オルゴールの音色やエリック・サティを思わせるピアノにも惹かれるアンビエント・ハウス逸品「Minka」も収録されている。Felix Labandはその後10年の沈黙を経て、昨年やはりダウンテンポ/フォーク/チャント/ポエトリー/ハウスがオーガニックに溶け合ったアフリカン・チルアウト・ラウンジ風味の『Deaf Safari』で健在ぶりを示した。

続いては“Good Mellows”シリーズではお馴染みの常連アーティスト、『Good Mellows For Sunset Feeling』に「Deep Water」、『Good Mellows For Moonlight Rendezvous』に「Right 4 Me」を収めた、マーク・バロットのこの夏リリースの最新アルバム『Sketches From An Island 2』より、その幕開きを飾る爽やかブリージンなバレアリック・メロウ・グルーヴ「Brunch With Suki」をいち早くエントリー。ここまでの2曲だけで、『Good Mellows For Sunlight Breezin'』のリスナーは、陽光きらめき気持ちよいクール・サマー・ブリーズに吹かれる音楽の楽園へと誘われるはず。地中海に浮かぶスペイン・イビサ島のアイランド・ライフを体現する彼が主宰するレーベルInternational Feelは、まさしくバレアリック・チルアウト屈指の名門で、その音源も僕はホセ・パディーヤ/Len Leise/Wolf Mullerなどの作品を“Good Mellows”のために選曲している。

続くメルボルンの若き俊英アンドラス・フォックスも、昨秋『Good Mellows For Moonlight Rendezvous』リリース記念DJツアーのために来日してくれたこともあり、“Good Mellows”ファンには親しみ深い名前だろう。盟友とも言える好ヴォーカリストOscar S. ThornとのAndras & Oscarでの「Looking Back」〈Tornado Wallace Dub〉を同コンピに、名曲の誉れ高い「Running Late」を『Good Mellows For Sunset Feeling』に収録し、それぞれのライナーで様々なレーベルから多種多様な楽曲を発表してきた彼を詳しく紹介したが、その後も相変わらずの冴えを見せる活躍ぶり。今回はAndras名義で今年初めにFantastic Man主宰のSuperconsciousよりリリースされた最新12インチ(A面の1曲目は90sシカゴ・ハウス・フレイヴァーの「T.N.T.F」)から、絶妙な揺らぎが快適なことこの上ない「Gold Coast」〈Surfers Paradise Mix〉を選んだ。サーフ天国ゴールド・コーストの地名でもあるサーファーズ・パラダイスの名を冠すに相応しい、涼やかでメロディアス、穏やかなバレアリック・アンビエンスが香る名ミックスだ。美しいピアノにローファイなテクスチャーは、僕がこのところ注目しているMood Hut/1008pといったレーベルや、Future Timesから出た「Thirstin'」をこのコンピの選曲候補にしていたJack Jの作風と、共時性を感じさせる。またアンドラス・フォックス(Andrew Wilson)はこの春、Eleventeen Eston(僕はMoonboots主宰Aficionado Recordingの10インチに入っていた「Indian Blue」が好き)ことJohn Tannerと、オーストラリア西海岸パースの陽光のもとレコーディングし、Wilson Tannerを名乗り、LPのみでポスト・ニューエイジ・アンビエントの名盤『69』を発表したことも、ぜひ付け加えておこう。

DJ Sonikkuについては詳しいことを知らないが、やはりクール&トロピカルな楽園フレイヴァーが快い「On The Rocks」は、実際のDJプレイでも、この春から夏にかけて前曲に絡めてかけることが多いアンビエント・ビートダウン名品。ロンドンの新世代エレクトロニック・レーベルとして脚光を浴びるLobster Theremin傘下のディープ・ハウス・ライン、その名もDistant Hawaiiより。涼しげなレーベル面のアートワークや、涼やかな鈴のようなパーカッションの音色にも好感を抱くが、12インチ全体にシカゴ・ハウス・フィール漂うところもアンドラス・フォックスと共振しているようで微笑んでしまう。これがセカンド・リリースのDistant Hawaiiは、前作のファースト・リリースHidden Spheres「Waiting」も、ウォーミーなナイス・ビートダウンでかなりの愛聴盤だ。

ここで制作スケジュールぎりぎりのタイミングでライセンスOKの知らせが届き、マスタリング当日に急遽収録が可能となって歓喜したJamie xxへ。The xxの頭脳であり、プロデューサーとしてもひとつのアイコンと言ってもいいだろう彼が、そのメランコリアを踏まえつつハウス・ミュージックに接近して昨年発表したソロ・ファースト『In Colour』(僕は2015年のベスト・アルバム20にも選んだ)の中でも、とりわけ印象深かった「Loud Places」を、スペインNu-Discoの雄John Talabotが鮮やかにリミックス。The xxのRomyの歌声も生かしながら、じわじわと幸福(天国)へ昇りつめていくようなJohn Talabot節が光り、まさしく昇天してしまう。これを収めた去年の末にYoung Turksからリリースされたホワイト盤は、すぐさま入手困難なコレクターズ・アイテムとなり、僕は原宿のBIG LOVEで購入したのだが、そのときもオーストラリアから「店にある在庫をすべて買いたい」と問い合わせが来ていたので、実に貴重な収録だと思う(もちろん世界初CD化)。Jamie xxは2011年に亡くなる直前だったギル・スコット・ヘロンの『I'm New Here』を再構築したリワーク盤『We're New Here』を手がけていることも、特筆しておきたい。

そして早くもハイライトへ向かい、僕には夢の顔合わせ。ミシェル・ンデゲオチェロは1993年のデビュー以来、キャリアを通して好きな、信頼のおけるアーティスト。ファンク~ソウル~ジャズ~ヒップホップ~R&B~レゲエ~ダブ~ロックなどを横断し、ハイブリッドに融合するシンガー・ソングライター/ベーシストだ。2002年作『Cookie: The Anthroporogical Mixtape』は、彼女のアルバムの中では特によく聴いたというほどではないが、そこに収録された「Earth」のオリジナル・ヴァージョンは、僕が近年コンパイルしている“Free Soul ~ 2010s Urban”シリーズを先駆けたような、ネオ・ソウル風味の素晴らしいメロウ・ミディアム。しかしそれを、多幸感あふれるグルーヴィーとしか言いようのないファンタスティックなハウスに生まれ変わらせたのがベン・ワット。初めて聴いたときは本当に感激した。青空に解き放たれるような爽快感とサマー・フィールに満ちた、言わばサンシャイン・ハウス。ベン・ワットと言えば、1983年のソロ・ファースト『North Marine Drive』が僕にはかけがえのない青春の一枚で、もちろんトレイシー・ソーンとのエヴリシング・バット・ザ・ガールも愛してやまないが、そんな内省的な歌とギターを奏でていた彼が、Buzzin' Flyというハウスのレーベルを始めた(ネーミングがティム・バックリーの曲名にちなんでいたのにも、ひどく心を動かされた)ときにも増して、これほどユーフォリックで輝かしい至高のハウスを届けてくれたことに、感動を禁じえなかったのだ。この曲を聴いているとつい続けて聴きたくなってしまうシャーデー「By Your Side」〈Ben Watt Lazy Dog Remix〉、あるいはマックスウェル「Lifetime」〈Ben Watt Lazy Dog Remix〉などと共に、ベン・ワットの打ち立てた至福リミックス金字塔だと思う。僕は『Good Mellows For Sunrise Dreaming』のピークに配したLord Of The Islesのキラー・チューン「Ultraviolet」(これまたひたすら気持ちいいサンシャイン・ダンス・トラックだ)をDJプレイしてフロアが沸騰するたび、これは何かに似ているなと感じていたのだが、きっとこのベン・ワット・リミックスによる「Earth」にインスパイアされたのだろうと気づいたときも、無性に胸が高鳴った。

続いて登場するのは、ハウス~ダンス・ミュージック界でも指折りのビッグ・プロデューサーとして20年以上にわたり活躍を続けるルイ・ヴェガ。マスターズ・アット・ワーク~ニューヨリカン・ソウルの頃からよくターンテーブルにのせ、“Free Soul”コンピなどにも選出させてもらってきたが、最近はジョー・クラウゼルもヘヴィー・プレイ&リミックスしているElements Of Life名義の瑞々しいほどに美しい光彩を放つ「Most Beautiful」(ブレイズのジョシュ・ミランとの共作)を、『Urban-Resort FM 78.4』にセレクトしたのが記憶に新しい。約3年の制作期間をかけて制作された彼の最新アルバム『Starring...XXVIII』は、これまでの集大成と言える、2枚組全28曲すべてをシングル・カットできるくらいのベスト・アルバムのような充実度で、ファンカデリック「Ain't That Funkin' Kinda Hard On You?」を筆頭にフェイヴァリット・トラックは枚挙に暇がないが(特にヴィクター・デュプレーやザラ・マクファーレンの客演曲は僕好みだった)、何か1曲と言われたら迷わずこれ。昨年末に12インチがリリースされたその日から、DJでもスピンし続けていたアーバン・リゾート気分のチャーミングなナンバーで、ドクター・バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンドを連想したのは僕だけだろうか。流麗なメロディーとほのかに香るラテン・フィーリングはルイ・ヴェガの真骨頂。華やかで洒落たピアノ、キュートかつ艶やかなMonique Binghamの歌声もたまらなく魅力的だ。

次もNYハウスの、特にジャジーな側面(そしてヒップホップ~ブレイクビーツ寄りのサイドも)を代表する名プロデューサー、パル・ジョーイによる、やはりチャーミングかつロマンティックなダンス・チューン。ディー・ライトやエリック・B.&ラキムとも親交深く、シャーデーやThe Orbのリミックスも忘れられない彼に対しては思い入れも強く、語りたいことは多い。ひとことで表現するなら、オフ・ビートの魔術師。出会いはデビュー作となるSoho「Hot Music」が出た1989年、伝説のウィントン・マルサリス3秒ループは、ジャズで踊るムーヴメントに夢中だった大学生の僕には鮮烈で、クラブ・ジャズとハウスの架け橋になった。1990年にスタートした彼のレーベルLoop D' Loopの90年代半ばまでの12インチはすべてリアルタイムで揃えていたし、1991年にPal Joey feat. Dreamhouseとして発表されたアンビエント・ハウスの珠玉「Harmony」は大のお気に入りで、今もカフェ・アプレミディでの同名DJパーティーのテーマ曲と考えているほどだ。今回エントリーした「Love Me Tonight」は、1995年にNite Groovesよりリリースされた人気EP『The Raw Shit』からのセレクション。このEPは他にも「I Fell...」を始め、サンプリング・ロウ・ハウスの名作揃いだ。2013年にはLoop D' Loop作品を中心に編まれたBBEからのベスト・アルバムも話題を呼んだが、久々に出た昨年のEP『Between The Lines』も僕は気に入っている。

次も長年のフェイヴァリットとして、“Free Soul”から“harmony”まで20年以上にわたりDJプレイしてきた(そして必ずフロアに笑顔がこぼれる)280 Westの「Scattered Dreams」〈"Bah-Dah-Ee-Dah"Mix〉。僕にとっては、言ってみれば“1992年のロマンティシズム”。デヴィッド・マンキューゾも愛するニュージャージーのアーリー・ハウス・レーベルKaleidiascopeに残された秘宝で、美しいメロディーと流れるようなピアノ、メロウ・フローティンでヘヴンリー&スペイシーなサウンドスケープ、そしてKenny Bobienによる伸びやかな至福のヴォーカル・ワークが、曲名に相応しい甘美な夢へと誘ってくれる絶品だ。12インチの逆サイドに入っている〈The Rude Awakening Mix〉も好きだが、やはりKenny Bobienが歌うジャジーで洗練された彼らのヒット曲「Love's Masquerade」も、マスターズ・アット・ワークにリミックスされたり、ロフト・クラシックとなっている。今年の初めには、ハーモニカも印象的な2004年の素晴らしくメロディアスに飛翔するナンバー「Fly」が、ジョー・クラウゼルのリミックスによってよみがえったのも嬉しかった。

続いてはJunktionによるオランダのディープ・ハウス~ビートダウン・レーベルOutplay(僕はDaniel Lesemanの「On My Mind」という曲がメランコリックでかなり好き)へのフックアップを機に注目を集める、マンチェスターのホープLoz Goddard。「4000Bs」は2015年の『Whisper To Me EP』からのセレクトで、『Free Soul Colors』でもお馴染みロニー・リストン・スミス「Quiet Moments」のピアノ・サンプルが桃源郷へと誘う天上の心地よさ。陽光に照らされながら身も心も揺らしたくなる、バレアリック・フィール~サウダージ・メロウなクラッピン・ビートダウン・ブレイクスだ。Loz Goddardは今年に入って出た、ロイ・エアーズ・プロデュースによるランプのメロウ・クラシック「Daylight」を再構築した「Moovish」などを収めた『Drunken Monk EP』も、彼らしいディスコ×ハウスの逸品揃いだった。

続くPaul Hillは知る人ぞ知るデトロイトのシンガー・ソングライター/トランペッターだが、2013年にムーディーマン主宰Mahogani MusicからリリースされたNikki-Oとのスプリット12インチ(彼女の「Music」もリック・ウェイドを思わせるようなジャジー・ハウスでお薦め)に収められた「Need Me Some U」は、まさしく至宝。豊かなコード・プログレッションに、まろやかな生音主体のブリージンで浮遊感あふれる極上トラック。フィンガースナッピンな快適なテンポに乗った、エリカ・バドゥやコーディー・チェズナットあるいはプリンスにもたとえられる、ゴスペル・フィーリングも漂うハートウォームな歌声。艶やかでムーディーでソウルフルな、これぞ“Mahogani Music”と言えるデトロイト・ビートダウン×ネオ・ソウル×ピアノ・ハウスの理想型だと思う。

ここでインタールード的な役割も兼ねて挿入されるのは、アフリカ南部の音楽の魅力を紹介しているフランスの新興レーベルNyami Nyamiからこの春12インチが届けられた(そこに収められた〈Club Edit〉をよくDJプレイしている)、バレアリック好きにも推薦したいヴィンテージ・アコースティック×エレクトロニクスの味わい深い素敵なコラボレイション。Chiwoniso Maraireのサイドマンとしても知られるジンバブウェのムビラ(親指ピアノ)のマエストロでありシンガーJacob Mafuleniと、デイム・ファンクを始めルイ・ヴェガやKenny Bobienの作品にも参加しているフランスのエレクトロ・ファンク・プロデューサーGary Gritness。柔らかな郷愁を誘うムビラ+アフロ・チャントと、マーヴィン・ゲイ「Sexual Healing」でよく知られるローランドのリズム・マシンTR-808の出会いが織りなす、ナチュラル&オーガニックな風合いを失わない、優雅でスピリチュアルなグルーヴ。その永遠に身を委ねていたくなるピースフルな調べに、大好きなFrancis Bebeyを思い浮かべるのは僕だけではないだろう。極めて自然で、互いの敬意あふれる、理想的なパートナーシップの姿がここにある。

そしていよいよクライマックス、これぞ“Spiritual Life Music”、ご存じジョー・クラウゼルの「Agora E Seu Tempo」。爪弾かれるスパニッシュ・ギター、脈打つブラジリアン・パーカッション、ペドロ・アズナールを彷彿させるような哀愁コーラス、ラストの胸に沁み入るピアノ、まさにスピリチュアル・ハウスの最高峰にしてタイムレスなマスターピース(この頃のジョーとジェフテ・ギオームのコンビネイションは完璧だ)。今回ふと、このコンピレイションに収録しようと思い立ったのは、夕暮れの由比ヶ浜で美しい太陽が西の空に落ちていくのを眺めていたとき。クラブ・パーティーでも(もちろん“Free Soul”でも)何度聴いたかわからないが、奇しくも“Body & SOUL”で来日中だった彼に、収録OKを直接もらうことができたのだった。“Good Mellows”シリーズには、ファースト・コンピ『Good Mellows For Seaside Weekend』の記念すべきスターターとした、メンタル・レメディーの幻の名作「Just Let Go」以来の登場となるジョー・クラウゼルだが、『音楽のある風景~冬から春へ』に入れたメンタル・レメディー「The Sun・The Moon・Our Souls」、『Chill-Out Mellow Beats ~ Harmonie du soir』に入れた「Mother Nature」やテン・シティー「All Loved Out」〈Ilu 'Ife (Love Drum)〉/バヤラ・シティズンズ「Goddes Of A New Dawn」〈Acroostic Version〉/ジェフテ・ギオーム「The Prayer」〈Acroostic Version〉など、彼の関連作は僕の選曲コンピの常連だ。今春はようやく12インチが完成した愛すべきNujabes「Child's Attraction」のリミックスや、ルイ・ヴェガと同じくまるでベスト・アルバムのようだった最新盤『Thank You Universe』(かつてはプロモ・オンリーだった「Agora E Seu Tempo」〈Acroostic Percussion Mix〉に始まる)からElements Of Life「Most Beautiful」〈Joaquin's Sacred Rhythm Extended Version〉をたびたびDJプレイしながら、そういえば「Agora E Seu Tempo」は90年代後半、DJ Cam「Birds Also Sing For Anamaria」/Mr. Scruff「Bernard's Shuffle」との最高のカップリングだった『Trip Do Brasil #4』で、常にレコード・バッグに入っていたな、と懐かしく回想したりしている。ほのかにミナスの香りが滲むあたり、パット・メセニー・グループ「Slip Away」をサンプリングした不朽のサマー・アンセム、『Good Mellows For Seaside Weekend』のエピローグとしたニック・ホルダー「Summer Daze」を思い浮かべる方もいるだろうし、もちろんその後、Chari Chariの人気曲「Aurora」にも多大な影響を与えたことは、想像に難くないだろう。

エンディングに置いたのは、この『Good Mellows For Sunlight Breezin'』と、日本盤がSuburbia Recordsから同時リリースされるSmith & Muddの新作『Gorthleck』のプロモーションDJツアーのため、まもなく祝来日のMuddことポール・マーフィーが主宰するClaremont 56の隠れた逸品。彼が惚れこみ、このモダン・バレアリック屈指の人気を誇るレーベルから、RSD限定で片面プレスのホワイト・カラー・ヴァイナルとして発表したのもうなずける、スティーヴ・ライヒをも思わせる中毒性の高いロシア産のミニマル・ドリーミン・バレアリカ。柔らかな陽の光のようなギターと鳥のさえずりや虫の声に包まれるアンビエンス、瞑想的でアトモスフェリックな、スクリュードされたようなレイドバック感にセピア色のサンセット・フィールを感じながら、このコンピレイションはメロウ&メランコリックな余韻をたたえて幕を閉じていく。

追記:
コンピCD『Good Mellows For Sunlight Breezin'』の中から、その世界観を大切にしながら特にDJユースに向いた音源を選りすぐった、6曲入りのアナログEPもリリースされますので、そちらもぜひお楽しみください。

再追記:
最後まで読んでいただいて、「あれ?」と思われた方もいると思います。文中でも触れたように、マスタリング当日つまりライナー入稿間際で、Jamie xx「Loud Places」が収録OKとなった関係で、ラスト・ナンバーに予定していたOma & Amberflame「Tropic Of Capricorn」は、このコンピレイションに収められていません。Claremont 56主宰のポール・マーフィーの厚意で、"Good Mellows"次作エントリーといたしますが、その予告も兼ねて原稿はそのまま掲載させていただきました。ご了承ください。


V.A.『Good Mellows For Sunlight Breezin'』(CD)
01. Whistling In Tongues (Todd Terje Remix) / Felix Laband
02. Brunch With Suki / Mark Barrott
03. Gold Coast (Surfers Paradise Mix) / Andras Fox
04. On The Rocks / DJ Sonikku
05. Loud Places (John Talabot Without Me Dub) / Jamie xx
06. Earth (Ben Watt Lazy Dog Remix) / Meshell Ndegeocello
07. Elevator (Going Up) / Louie Vega starring Monique Bingham
08. Love Me Tonight / Pal Joey
09. Scattered Dreams ("Bah-Dah-Ee-Dah" Mix) / 280 West
10. 4000B's / Loz Goddard
11. Need Me Some U / Paul Hill
12. Atuka Mondhoro 808 / Jacob Mafuleni & Gary Gritness
13. Agora E Seu Tempo / Joe Claussell

※特にレコードが入手困難だったり、DJユースに向いた名作を選りすぐった、6曲入りのアナログEPも同時発売です!

V.A.『Good Mellows For Sunlight Breezin' EP』(レコード)
A1. Earth (Ben Watt Lazy Dog Remix) / Meshell Ndegeocello
A2. Loud Places (John Talabot Without Me Dub) / Jamie xx
A3. Elevator (Going Up) / Louie Vega starring Monique Bingham
B1. Scattered Dreams ("Bah-Dah-Ee-Dah" Mix) / 280 West
B2. 4000B's / Loz Goddard
B3. Need Me Some U / Paul Hill
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