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Smith & Mudd『Gorthleck』

通常価格(税込): 2,500
販売価格(税込): 2,500
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イギリスのモダン・バレアリック・シーン最高峰レーベルClaremont 56を主宰するMuddことポール・マーフィー(祝プロモーション来日DJツアー)と、同レーベルの看板アーティストでもあるSmithことB.J.スミスによるユニット、Smith & Mudd待望の新作『Gorthleck』が7/15に先行入荷します。ダウンテンポの達人らしい神秘性豊かで“Good Mellows”なヴァイブを宿した音像は、モダン・バレアリックとフォーキーの出会いという趣きで、美しい日の出と夕陽の光景を疑似体験できる素晴らしさ。極上のボーナス・トラック5曲の収録も嬉しい、彼らの最高傑作の誕生です。アプレミディ・セレソンでお買い上げの方にはもれなく(通販含む)、ポール・マーフィー選曲によるスペシャルCD-R『Paul“Mudd”Murphy's Good Mellows Mix』と、橋本徹・選曲のスペシャルCD-R『Toru Hashimoto's Balearic Chill-Out Mix』をプレゼント致しますので、お見逃しなく!


Smith & Mudd『Gorthleck』ライナー(日高健介)

2015年、それまでで最も大盛況と言える来日ツアーを行い、モダン・バレアリック・シーンを代表する自身が運営している2つのレーベル、Claremont 56からBambi Davidsonの傑作アルバム『Brunswick』、そしてLeng RecordsからPsychemagikのコンピレイション/ミックスCDの2部作『Magik Sunset Part 1』『Magik Sunset Part 2』等の話題が絶えない諸作品を発表し、このシーンの真髄を伝道する最重要人物のひとりとして知られる、Muddことポール・マーフィー。彼は制作面ではどうしているのだろう? とふと思っていたら、実は約7年ぶりに良き相棒のマルチ・インストゥルメンタリストであるB.J.スミスと組んでいるSmith & Mudd名義の新作アルバムを制作していたことが、2016年の初めに判明した。この名義で再結集したこのデュオは、去年の夏と今年の初めにわたり2回ほど、穏やかな湖と遠方に岩石の多い、樹木が茂った広大な山々のとても美しい眺めがあるスコットランドの高地、Gorthleck(ゴースレック)を訪れ、本作のレコーディングを重ねていた。本人いわく、スパイ映画、007シリーズの『スカイフォール』の最終場面の舞台となった架空のジェイムス・ボンド自身の実家がある場所のような秘境であり、不安定な天候に見舞われるこの山地の独特な、堪能できる環境に彼らは大いに感化され、フォーク・ロック、クラウト・ロック、ウエスト・コースト・ロック、ドアーズ/ローリング・ストーンズ等のヴィンテージ・ロックの趣が蘇り、イギリス流のモダンなバレアリック・スタイルと絶妙に溶け込む、内省的なグッド・メロウなヴァイブスが横溢する、2009年に発表した2作目『Le Suivant』以来の通算3枚目となる傑作アルバムを完成させた。

Claremont 56、Leng Records、そして最近立ち上げたばかりのSpacetalkの計3つのレーベルを運営し、それらのレーベルの独特で印象的なアートワークのディレクションを手がけ、Smith & Mudd、Mudd & Pollard、Paqua、Bisonの一員、プロデューサー、ミュージシャンとして制作に深く関わり、多忙なスケジュールの合間に日本も含む世界中のあちこちでDJをし、日本では確固たる人気が定着しつつあるMuddは、約25年前にDJ活動を開始し、1995年から音楽制作をスタート。ロンドンの北部、セント・オールバンズで生まれ育った彼は、若い頃にあのニック・ザ・レコードと同じブレイクダンス・クルーに所属し彼と仲が良く、BMXバイクを友人たちと乗りまわし、ヒップホップやエレクトロを聴き、ダンス・ミュージックに興味を持ち始めた少年時代を過ごす。この頃に、後にAkwaabaの同僚にもなったスティーヴ・“フェラ”・コティとトム・リーと出会う。彼は1980年代後半にイギリス中で一世を風靡したアシッド・ハウス/レイヴ・シーンに魅了され、その影響で音楽志向が次第にハウス・ミュージックへとシフトする。1990年代以降、ロンドンのハウス・シーンの先駆者たち、Kid Batchelor、Linden C.やRhythm Doctor等がDJしていたパーティー、Release The Pressure、Bang The Party等に通い始めた後、ゲストにRicky Morrison、Robert Owens、Joey NegroやDJ Harveyを招いたIdjut Boysがロンドンのクラブ、The Crossで1994年からやり始めたパーティー“フリーク”や、Plastic Peopleでやっていたパーティー“レッツ・ゴー・スウィミング”にたどりつき、彼ら流のディープ・ハウスやディスコ・ダブの洗礼を受け、また音楽制作するきっかけを与えられた。Muddは、同時期にアート・スクールでデザインを学んだ後、デザイナーの仕事をしながらその前後にDJ活動をスタートし、Jeremy Healy、Alex P.等の前座を務め、プロデューサーになる夢を見る。

後にBear EntertainmentやBear Funkを立ち上げ、Chicken LipsのDJとして名声を得た旧友、スティーヴ・“フェラ”・コティ、ティム・リーとMuddは音楽制作を開始し、1996年に彼らとAkwaabaを結成する。1997年にIdjut Boysのサブ・レーベル、Discfunctionからデビュー盤を発表。あっという間にこの3曲入りのEPは注目を浴び、その中の「Just Pilau」がFrancois K『Essential Mix』やRon Trent『Musical Reflections』等の著名なDJのミックスCDに収録され、Akwaabaは90年代中頃に火がつき始めたNu Discoシーンに鮮烈なデビューを果たす。この成功が原動力となり、制作したこのグループのデビュー盤『Do It Tomorrow』は、2000年に同レーベルから発表され、ディスコ・ダブの全盛期の代表作の1枚と評される。『HOUSE definitive 1974-2014』(監修:西村公輝+三田格/eleking-books)のDisco-Dub/ Nu-Disco章にも選出され、「バレアリックというイメージを拡散させるレイドバックしたフュージョン的グルーヴは、Mudd主宰のClaremont 56に引き注がれてゆく」とドクター西村から称賛される。

2002年に2作目『Too Shiny』、またDiscfunction、Noid Recordings、Session Recordings、Bear EntertainmentとBear Funkから何枚かのシングルやエディットを出し、Tummy Touch、Strut等の作品のリミックスを手がけるようになり、Nu Discoシーンで彼らの人気が浮上するが、2003年に惜しくも解散。『Too Shiny』を制作していた頃に、Muddが共作していたノッティンガムの友人から、後にSmith & Muddを結成する相方である、キーボード、ギター、シンセやドラムが堪能なマルチ・インストゥルメンタリスト、プロデューサー、ソングライターであり、また当時Nuphonicから作品を出していたFUG等含む多数のバンドを抱えながら、セッション・マンとしても活躍していたB.J.スミスを紹介され、この作品に参加してもらう。これをきっかけにふたりは仲良くなり、その後も継続的に音楽を一緒に作るようになる。ちなみにB.J.スミスはこの頃、MuddのAkwaabaの相棒であるスティーヴ・コティとKost Effectiveというユニットも組んでいて、何枚かのシングルやリミックスをリリースしていた。

Muddは、Akwaaba在籍時にソロ名義でBig Bear、Bear EntertainmentやNoid Recordingsからオリジナル作品や極上なディスコ・エディットをリリースし始める。後に『Originals』シリーズの1枚を監修したDJ SpenとIdjut Boysのコンラッドの紹介で知り合ったBen Cook主宰のRong Musicから、Ray Mang、Prins Thomas等のNu Discoの主砲たちによるリミックス入りの「Adventures In Bricket Wood」を出す。2枚のシングルとして出たこの楽曲は、『超ハウス・ディスク・ガイド』(監修:巽英俊/リットー・ミュージック社)に選出され、この本では安藤優がこう評した──「かなりイカれてる、レイ・マン作の貫禄のダビー・エレクトロ、Loveslap Recordingsなどで活躍するレイン・フォックスが手がけた横揺れ系グルーヴのディスコ・ダブ大作、という2種類のリミックスも収録」、そして第2弾は「気が遠くなるほどスペイシーなプリンス・トーマスによるディスコ・ミックスが収録。“ムニューン”と響きわたる鍵盤ソロで相棒のリンドストロムもゲスト参加。ズブズブなダブ、果てしもなく反復するグルーヴ。彼岸の冒険譚」。「Adventures In Bricket Wood」は、DFA主宰のJames Murphy & Pat MahoneyのミックスCD『FabricLive.36』(2007年)にも収録される。Rong Musicからの第2作にMuddは、音楽の新境地をめざしていることが察知できる、伝説的なジャズ・ドラマー、故チコ・ハミルトンをフィーチャーした、生バンド形式のバレアリック流のジャズ・ファンク系の楽曲「Kerry’s Caravan」を出す。この楽曲は、ホセ・パディーヤが監修した熱海のホテルで限定販売されているコンピレイション『Hotel Micuras』(2007年)に収録された。

2006年にMuddは、作風が異なる幾つかの作品を多数のレーベルから出す。Rong Musicから日本でのみ販売された、250枚限定の片面プレス盤「DUDM」、2008年に出たTom MiddletonのミックスCD『Renaissance 3D』にも収録されたバレアリック・ブギーな「54B」(この楽曲はRay Mangのリミックスがフィーチャーされているシングルが、2009年に立ち上げたLeng Recordsの第1弾としてもリリースされた)、Idjut Boysのサブ・レーベル、Cottageから『Idjut Boys Present Cottage』というオムニバス盤にSmith & Mudd名義のデビュー曲「Blue River」。そしてRong MusicのBen Cookの紹介で出会った北村淳のレーベル、Outergazeから3曲入りのEP「Flytoget」を発表し、同年に彼が青山のLoopで開催していたパーティー、Fantasizeで一緒にDJするためにMuddは初来日を果たす。

2007年に彼自身の音楽制作の方向性の変化が明らかに表れている、またその後の行方を予期させる、ヴァラエティーに富んだ曲調を披露している意欲作とも言える、初のソロ・アルバム『Claremont 56』をRong Musicから発表(Musicmineから日本盤も出る)。Smith & Muddの相棒、B.J.スミスはこの頃のことをこう回想した─「ポールとAkwaabaのレコーディング・セッションで知り合った後から、彼と定期的に毎週1回音楽制作をするために合流していた。これらのセッションで制作したアイディアの大半は、結果的にポールのRong Musicから出たソロ作『Claremont 56』に収録された。このアルバムを一緒に制作したことをきっかけにSmith & Muddを結成した」。MuddにもB.J.スミスとSmith & Muddを結成した理由と、なぜ彼と制作するのが好きなのかを訊いてみると、彼はこう答えた─「彼とは本当に息が合い、そしてもちろん彼は凄く才能に溢れるミュージシャンであり、ふたりは同じスタイルの音楽を創造するのをめざしているので、一緒に音楽を作っている。最近、我々は制作中瞬時に通じ合うんだよ。20分間作業をしている最中に、瞬時にフレッシュなアイディアが現れる。長年相手と凄く仲良くしていて、共作している恩恵だと思う」。

同年にMuddは念願の自身のレーベル、Claremont 56を立ち上げる。このレーベルの設立当初のモットー「Muddと彼の友だちのレコードを出す」を引っ提げて、初作品としてMudd & Pollardのシングル「Villa Stavros」、第2弾としてSmith & Mudd名義の、後にMudd自身の作品の中でお気に入りの1曲となる「Shulme」を出し、軌道に乗せる。この楽曲は今やバレアリック・クラシックと評され、2006年度のDJ History Forumの年間最優秀トラック賞を受賞。 その後にレーベルの初アーティスト・アルバム作品として、Smith & Muddのデビュー盤『Blue River』を発表。

2013年にVinyl Factoryのサイトに掲載されたMuddの記事で本人は、レーベルを立ち上げた理由をこう語っている─「Claremont 56を設立する前には、半面グラフィック・デザイナーとして働きながら、残りの時間を音楽制作に費やし、他の人のレーベルから作品を出していたが、昔から音楽のみに専念したかったのさ。思いきって自分のレーベルを立ち上げた際には、他の方の基準に合わせず、何を、いつ出したいのかを自分で決めるレーベルにしたかった。私が好きなアーリー・90sのレーベルは、そこから出している作品の品質を疑うこともなく信頼していたので、試聴しなくても迷わず買いたくなるレーベルだったから、そんなレーベルにClaremont 56をしたかったのさ」。

Muddは、Claremont 56からSmith & Mudd、Mudd & Pollard(代表作のひとつ「Mawson’s Walk」はコンピ『Good Mellows For Seaside Weekend』にも収録された)、Bison、Paquaといった自身が関わっているプロジェクトの諸作品を中心に発表。Bisonは、Smith & Muddの相棒、B.J.スミス、クラウト・ロックの生きる伝説、カンのホルガー・シューカイと、80年代のNYカルト・バンド、リキッド・リキッドのメンバー、サルヴァトール・プリンシパートと共に結成したスーパー・グループだ。もともと大ファンだったMuddは、ホルガー・シューカイの「Ode To Perfume」の未発表ヴァージョンを彼のロンドン公演で聴き、根強く問い合わせした結果に彼の信頼を得て、Claremont 56からこの楽曲の10インチやその他の未発表曲を出すようになる。一歩ずつ踏みながら親交が深まり、ケルン近郊にある伝説的なシューカイのスタジオ、インナースペース・スタジオに招かれ、一緒にレコーディングするように発展し、Bisonのプロジェクトが実現した。

伝説的な音楽アイコンであるホルガー・シューカイから、どのように影響を受けたのかをMuddに訊いてみると、彼はこう応えた─「僕は昔からホルガーの大ファンであり、いつも彼自身の、音楽に対する独創的な、ルール無視の取り組み方が気に入っていた。彼は、毎回レコーディングする際に完璧さを求めることを気にせず、ただ楽しもうじゃないか、というスピリットを教えてくれた。ある日、ギター・パートをレコーディング時に上手く弾けなかった。それに気づいた彼は僕に、『ポール、間違いなんかないよ』と、アドヴァイスしてくれた。彼がその助言で何を言おうとしているかというと、音楽にはいろいろな解釈の可能性が存在し、我々が認識している“ミス”をうまく利用すべきで、その創造した音楽に個性と誠実さを与えてくれる、と教えてくれた」。Bisonのデビュー・シングル「Way To LA」はダウンテンポ・クラシックと評され、2014年にアルバム『Travellers』が発表され、今後もClaremont 56からこのグループの新作のリリースが期待される。

Paquaは、Phenomenal Handclap Bandの元メンバー、Bing Ji LingとPatrick Woods、Groove Armadaのメンバー、Patrick Dawesと共に、ライヴ活動ができるグループとして結成される。2013年に結成した当初からミニ・ツアーを行い、翌年にデビュー作『Akilako』の発売に合わせ、ワールド・ツアーを行い、そのハイライトがグラストンベリーやガーデン・フェスティヴァルといった世界有数の夏の音楽祭典への出演だった。

Claremont 56のレーベル設立当初から成し遂げようと試みた、他者の基準に合わせず、自分が気に入った音楽を出すということ。Muddは憧れの大御所アーティストの旧譜や未発表作、自ら発掘した新鋭アーティスト、周囲の良き友だちが監修したコンピレイション等、多種多様な諸作品をリリースし続け、その結果現在のNu Discoやネオ・バレアリック・シーンに新潮流を促す。ホルガー・シューカイの「Ode To Perfume」「My Persian Love」「Let’s Get Hot」「Let’s Get Cool」(「Cool In The Pool」の別ヴァージョン)「Dream Again」『Good Morning Story』等やサルヴァトール・プリンシパート(別プロジェクト、Fist Of Facts)を出し、Dog Eat Dog、Almunia、Bambi Davidson等の興味深い新人グループのアルバムやシングルを積極的に発表する。さらに、Moonboots & Balearic Mike、Mark Seven、Matthew Burgess & Jolson Green、Sean P.、Felix Dickinson、CantomaのPhil Mison、Lexx、高円寺のレコード・ショップを営んでいるYozo、Rong MusicとAlex From Tokyoといった、UKのバレアリック・シーンをリードする面々と世界屈指のレコード・コレクター/DJ、まさに“Muddと彼の友だち”が総動員され、彼らが監修した、選曲が絶妙な人気コンピレイション・シリーズ『Originals』を発表。その他にも種々雑多のシングルを計約80作リリースし、現在進行形のバレアリック・シーンに数々の傑作をドロップ、そのシーン屈指のレーベルへと成長を遂げた。また並行してMuddは、2009年にLeng Recordsをサイモン・パーネルと立ち上げ、Cantomaの傑作2作目『Out Of Town』、Psychemagikの人気コンピレイション/ミックス『Magik Cyrkles』『Magik Sunrise』『Magik Sunset Part 1』『Magik Sunset Part 2』等を出す。そして、2016年になり、PsychemagikのSimonとDanny McLewinと、Spacewalkという再発を専門とするレーベルも立ち上げたばかりだ。

発表している音楽以外に注意を払うべきこれらのレーベルの特徴は、Mudd自身がアート・ディレクションするデザインだ。Claremont 56、LengとSpacetalkのアートワークには、音楽と繋がっている、欠かせない重要な視覚的要素が存在し、一貫したレーベルのヴィジュアル・アイデンティティーを成立させている。Muddになぜ視覚的な要素を重要視しているのかを訊いてみるとて、彼はこう応えた─「私は昔からLPのフロント・カヴァーのフォーマットを気に入っている。アートワークは収録されている音楽に、別の観点を披露するのを手助けしている。私は以前からタイポグラフィーのデザイナーとして働いていたので、アートとデザインに対して関心を持っていた」。近年のClaremont 56のレーベル・イメージと一心同体の役割を果たしているとも言える、Paqua、Almunia、Bambi Davidson等の独特なフロント・カヴァーのイラストをデザインしたマーク・ウォーリントンに関しては、彼はこう語ってくれた──「Lowlifeという、我々が昔よく通っていたパーティーでもともと知り合ったが、数年経ってから彼がイラストレイターだったことを知ったんだ。彼が絵を描いていることを分かった途端、すぐに彼の作品をチェックした。ほとんど人物像中心に描いていたが、Mudd & PollardのLPのためにジャングルを描いてほしいと依頼した。彼には、今Claremont 56のホームページのトップ・ページに掲載されている美しい絵も描いてもらった。それ以来、レーベルのためにアートワークを描いてもらっている。彼は本当に才能があるアーティストだと思う」。Muddは、再びこの『Gorthleck』のフロント・カヴァーを飾った、のどかな森林のイラストにマーク・ウォーリントンを起用する。


Smith & MuddのB.J.スミスについて

Smith & MuddのMuddの相方、SmithことB.J.スミスは、多方面で活躍しているマルチ・インストゥルメンタリスト、プロデューサー、ソングライターだ。このユニットだけでなく、Bison、そして他方面ではCrazy PとのWhite Elephant等のユニットの一員でもある。また最近になり、ソロ名義でNuNorthern Soulからジャイルス・ピーターソン等が絶賛した、モス・デフ「Umi Says」、ファーサイド「Runnin’」(コンピ『Good Mellows For Sunset Feeling』にも収録)、アウトキャスト「Hey Ya!」(コンピ『Good Mellows For Seaside Weekend』にも収録)等のヒップホップ・クラシックのカヴァーを集めた『Dedications To The Greats』のEPシリーズや、2015年に出した『Between Ship And Shore』のEPシリーズを発表。その第1弾に収録されている「Hold On To It (Jonny Nash Remix)」は、『Good Mellows For Moonlight Rendezvous』にも収められている。今『Dedications To The Greats』の続編を制作中で、近日中にWhite Elephantの4曲入りのEPを出す予定だ。


B.J.スミスにSmith & Muddについて、幾つかの質問をした。

─Smith & Muddの制作のすべては、共作でしょうか?

初期の作品はほとんどポール(Mudd)がプロデュースしていた。私はスタジオに来て、多くの楽器を演奏し、ポールが心地よく聴ける楽曲に仕上げてもらった。しかし、時が経つにつれ、私はプロダクション面で意見を述べる頻度が多くなり、また彼はより多くの楽器を演奏するようになった。『Gorthleck』では、初めて我々が制作した楽曲のミックスダウンを外部の方に依頼した。その理由は、ふたりとも自分たちが作った創造物に対して、異なる観点を欲しかったからだ。

─貴方が好きな、Muddの長所を教えてください。

彼の活力と野心。彼の思考の明晰さと目的。音楽的な観点で言うと、彼は素晴らしいアレンジャーだ。彼は心地よく聴けるジャーニーのような楽曲に仕上げるのを得意としている。彼は優れた聴き手でありストーリー・テラーだ。

─Smith & Mudd、Bison名義で彼と共に音楽制作するのが好きな理由を幾つか教えてください。

長年一緒に音楽制作をし続け、多くを分かり合っているおかげで、強い信頼と理解が構築され、お互いの全力を引き出し合っていると思う。作業負荷をシェアするときや、手を引き、相手に主導権を譲るときが分かる。


『Gorthleck』について

Muddは本作『Gorthleck』を紹介する文言の冒頭で、こう語っている。

「音楽制作するスタジオ、場所自体とかの環境が、創造的プロセスに計り知れない影響を及ぼすとある一部の人々は信じている。この理屈によれば置かれた周囲に没頭することは、貴方が創造する音楽に多大な影響を及ぼすということになる。ダウンテンポの達人であるSmith & Muddが制作した3枚目『Gorthleck』を聴くと、この作品が制作された、岩だらけの、強い風の吹く、息をのむほど優雅な環境を想像できるかもしれない」。

Smith & Muddのサウンド・プロダクションは、本作を聴くと、前作『Le Suivant』を出してから7年の間に進化したような気がする。喉越しの良い、年期の入ったスコッチ・ウイスキーのように、どこか深みが増している。『Le Suivant』は、バレアリック・テイストが極まった、刺激的な好内容だったが、『Gorthleck』のように独特な時間軸と居場所へと誘い込み、いつの間にか彼らが本作を創造した別世界に紛れ込むような引力はなかった。きっと本作をじっくり聴けば聴くほど、ゴースレックという秘境で本作を創造している最中に過ごした日々に、彼らが目の当たりにした日の出と夕陽の光景を、あなたは疑似体験できるかもしれない。Smith & Muddは、バレアリック・スピリットとはひとつの固執した場所や音楽を指すのではなく、内なる静寂を操り、解き放つ自由なのだと、この神秘性豊かな傑作で証している。


Smith & Muddのふたりに『Gorthleck』についていろいろと訊いてみた。

─Smith & Mudd名義の前作『Le Suivant』から7年も経っていますが。

Mudd:我々は普段の日常生活に覆われてしまっていた。ベン(Smith)は引っ越し、2人の子供を授かった。そして、ふたりとも他のことに専念していた。僕はレーベル運営とツアー。ベンは他の仕事で多忙だったので、昔みたいにすぐに会って、音楽制作することは容易ではなかった。

Smith:もう7年も経っているのか ! そんな長い年月が経っているのは、驚きだね。ふたりとも個々のプロジェクトがあり、それらに思うよりも時間を取られてしまった。我々は、作曲活動を続けていたが、3枚目のアルバムを制作するに至り、ふたりとも新たなプロセスが必要なのではないかと感じた。ロンドンから離れ、田舎にある住居内のスタジオで制作を行い始めた。1作目『Blue River』は、長い間をかけて、ゆっくりとポール(Mudd)が私の演奏をいじりながら制作された。『Le Suivant』は、ふたりが同じ時間にスタジオに入り、より切迫感と決心を込めて制作された。3作目は、全く異なるプロセスを通して、今までの手法を手放し、制作する必要性があった。

─新作『Gorthleck』を制作する引き金は何だったのでしょうか?

Mudd:我々は、ふたりで作曲するのを継続したかったので、制作するときが来たと思い、やり始めた。

Smith:新たなプロセス。我々にとって週一で集まるルーティン以上のことが求められていた。制作に集中し、作業に勢いが欲しかった。アイディアが自然な成り行きで流れ、活きるスペースが欲しく、できるだけたくさん録音し、それを熟考できる時間を求めていた。そんな理由で、我々は都会から離れ、いかなる注意散漫もなく、散歩し、くつろぎ、綺麗な景色を眺めながら音楽制作できる時間とスペースを与えてくれるスコットランドの高地に行く計画を立てた。

─このアルバムを制作するために、なぜスコットランドの秘境を2回訪れたのでしょうか?

Mudd:ベンの両親がとても素敵な別荘を所有しており、音楽制作するために1週間滞在するのに招待された。この家には、本作収録楽曲にほぼフィーチャーされている、素敵なアップライト・ピアノがある。

─ゴースレックは、以前からも貴方たちにとって、特別な場所だったのでしょうか?

Mudd:はい、ベンが子供の頃から家族が所有していたので、彼自身にとって特別な場所だった。あまりにも人里離れているので、凄く解放的な場所で、今や僕にとっても凄く特別な場所となり、実を言うと世界で最も気に入っている場所のひとつだ。

─そんな理由で、ゴースレックでレコーディングすることを決めたのでしょうか?

Mudd:いかなる妨げもなしで、がっちりと1週間通して作業に没頭できたからね。

─音楽制作する通常の場所から抜け出し、他のところに行き、作業を行いたかったのでしょうか?

Mudd:そうだね、多くの1970〜80年代に出てきたアーティストたちは、普段の環境から離れ、日常的な注意散漫から遠ざかり、その場所に感化され、創作活動に没頭するためにどこかに行っていた。我々も、皆とすべてから離別することで、音楽制作に没頭することができ、非常に有意義だったと思うよ。


01. Dogwood
02. Enos
03. Errogie
04. Alrick
05. Gorthleck Part 1
06. Mhor
07. Mr Coats
08. Nether
09. Gorthleck Part 2

10. Shibataea*
11. Yushania*
12. Fargesia*
13. Hvala*
14. Ling Ling*
*Bonus Track
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