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Free Soul. the treasure of Average White Band

通常価格(税込): 2,420
販売価格(税込): 2,420
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Toru Hashimoto Compilation > Free Soul

グルーヴィー・ホワイト・ソウルの最高峰アヴェレイジ・ホワイト・バンド黄金期のファンキーそしてメロウな魅力が詰まった傑作を選りすぐったベスト・コレクション『Free Soul. the treasure of Average White Band』が10/21にリリースされます。サンプリング・ソースの宝庫としても熱いラヴ・コールが絶えないAWB、思わず腰が動くしなるようなビート、シャープなリズム・センスに映える鮮やかなホーン・セクション、“From Marvin Gaye to Brazilian Samba to Jazz”とアリフ・マーディンに絶賛されたメロウ&サウダージかつグルーヴィーなナンバーや、胸を焦がされるレオン・ウェアの絶品カヴァーに、ネッド・ドヒニーとの共作を含む哀愁アーバン・ミディアム、そしてダンスフロアを華やかに彩るきらめくようなディスコ・チューンまで、 珠玉の20曲82分32秒。アプレミディ・セレソンでお買い上げの方にはもれなく(通販含む)、橋本徹・選曲のスペシャルCD-R『Free Soul ~ 2015 Urban-Soul』とオフィシャル特典CD『More Average White Band』(こちらも15曲77分越え)をプレゼント致しますので、お見逃しなく!


『Free Soul. the treasure of Average White Band』ライナー(橋本徹)


『Free Soul. the treasure of Average White Band』のリリースに寄せて

高校生の頃、ソウル・ミュージックに夢中になった最初の時期に好きになったアヴェレイジ・ホワイト・バンド(AWB)。2002年春に編んだ『Free Soul. the classic of Avereage White Band』から13年あまりの時を経て、そのアップデイト・エディションとなる彼らのベスト盤『Free Soul. the treasure of Average White Band』を選曲する機会に恵まれた。

やはり発売権の移行に伴うコンピレイションのリニューアル・リイシューという形でオファーを受けた昨年夏のアル・グリーンと同じように、新たに3曲は加えようと思いながらセレクションにあたったが、今回はすんなりと迷うことなく即決することができた。ニュー・エントリーされた3曲に合わせて、曲順も多少の変更を加えている。

最も大きなトピックは、AWBが渡米以前に吹き込んだイギリス時代の素晴らしいシングル曲、「How Can You Go Home」(その後アメリカ盤『Show Your Hand』にも加えられることになる)をオープニングに置いたことだろう。アイズレー・ブラザーズ「If You Were There」、さらにはシュガー・ベイブあたりを連想せずにいられない、瑞々しいグルーヴィー・ソウルだ。

ファンキーなギター・カッティングに導かれる「Get It Up For Love」は、ご存じネッド・ドヒニーの人気曲カヴァーで、1977年のベン・E.キングとの共演盤『Benny And Us』より。そして長らく未発表だった(2000年代以降『Shine』CD化の際のボーナス・トラックとして陽の目を見た)ボズ・スキャッグスのヒット曲「Miss Sun」のナイス・カヴァーは、改めて今回いい曲だなあと思った「She's A Dream」と共に、AWBのAORサイドの白眉と言えるメロウ・ブギーだ。言わずもがなのレオン・ウェア作のこみ上げ名曲「If I Ever Lose This Heaven」のカヴァーは、DJをするときはこちらが好みの、シングル・テイクを採用していることも付け加えておこう。

前回にも収録したその他の楽曲の途方もない素晴らしさについては、僕が若き日にもどかしくも懸命に綴った『Free Soul. the classic of Average White Band』のライナーを参照してもらえたら嬉しい。読み返してみると、“From Marvin Gaye to Brazilian Samba to Jazz”というフレーズは、まさしく自分の音楽の趣味そのものだなと思うし、僕の“Soul Searching”(自分を見つめ直す、という意味)の旅は、今までもこれからも続いていく。

追記:
『Free Soul. the classic of Average White Band』リリースの際に、高橋芳朗が寄せてくれたライナーから、とても気に入っているエピソードを紹介しておこう。

1960年代のイギリスで青年期をすごした多くの者がそうであるように、彼らもまた、アメリカの黒人音楽に強い憧憬を抱き、それを動機として音楽の道を志して、AWBは1972年にスコットランドで結成された。結成後まもなく、グループはボニー・ブラムレット(デラニー&ボニー)の要請で、念願かないアメリカ上陸を実現させることになるが、その際にメンバーはレコード店に足繁く通い、所持金が続く限り、ソウル・ミュージックのレコードを買い漁ったという。とりわけオニー・マッキンタイアーが購入したアイズレー・ブラザーズには、一同いたく感銘を受けたようだ。

何とも微笑ましい、彼らの音楽愛と初期衝動が伝わる逸話だと思う。アトランティックの副社長ジェリー・ウェクスラーに声をかけられ、そのハウス・プロデューサーとしてアレサ・フランクリンやダニー・ハサウェイを手がけたアリフ・マーディン、エンジニアのトム・ダウドという最強のチームと組んで、「Pick Up The Pieces」が全米No.1ヒットを記録するのは、そのすぐ後のことである。


『Free Soul. the classic of Average White Band』ライナー(橋本徹/2002年)

アヴェレイジ・ホワイト・バンド(AWB)の魅力をひと言で表すとしたら、グルーヴィー・ホワイト・ソウルの最高峰、と言えるだろうか。といっても、これほどにホットでスウィートでファンキーな音楽について、ぼくはうまく語れる言葉を見つけられないという思いも常々抱いている。ソウル・ミュージックへのピュアな憧憬と情熱を胸に、スコットランドから世界へ羽ばたいた“平均的な白人のバンド”。確かなスキルとスピリットを併せ持ちながらそう名乗る彼らの逆説とミュージシャンシップに胸を締めつけられることもしばしばだ。

ぼくが彼らの音楽と初めて出会ったのは、高校生のときにエア・チェックしていたFM番組で聴いた「Cut The Cake」。パーソナリティーのピーター・バラカン氏が興奮気味に大絶賛していたのをよく憶えている。思わず腰が動く、しなるようなビートはそれまで聴いたことのないものだった。

その後すぐに知った「Pick Up The Pieces」もやはり腰が覚えてしまうようなキャッチーなリフが煽るソリッドなファンクだったので、シャープなリズム・センスに映える鮮やかなホーン・セクション、というイメージでAWBはぼくの音楽地図の中でタワー・オブ・パワーやアイズレー・ブラザーズの隣りにインプットされた。

だから彼らが大好きなアイズレー・ブラザーズの「Work To Do」をカヴァーしているのを聴いたときは無性に嬉しかった。ガッツあふれるダイナミックな好ヴァージョンだ。AWB再評価の気運の背景には、ファンキー/メロウ両面でアイズレー・ブラザーズに対する今日的解釈と同じ通奏低音が流れていると思うのはぼくだけではないだろう。

したがって彼らは、ヒップホップ・アーティストからはサンプリング・ソースの宝庫として熱いラヴ・コールを送られている。エリック・B.&ラキムを筆頭に引用例は枚挙に暇がない「School Boy Crush」などは、まさに“アルティメイト・ブレイク・ビーツ”と呼ぶに相応しい。ア・トライブ・コールド・クエストが「Check The Rhyme」で「Love Your Life」を、ブランド・ヌビアンが「Word Is Bond」で「I'm The One」を立て続けに大胆にサンプリングしたときの心の震えは今も忘れようがない。

やはり最近デ・ラ・ソウルがサンプリングしていた「If I Ever Lose This Heaven」は、レオン・ウェアが書いたメロウなラヴ・ソング。ミニー・リパートンが歌ったクインシー・ジョーンズ版、マキシン・ナイティンゲイルやナンシー・ウィルソン、コーク・エスコヴェードにセルジオ・メンデスと、Free Soulファンにはさまざまなヴァージョンで人気が高い、胸を焦がされるような名曲だ。

そしてぼくがFree Soulのパーティーで最もよくクラブ・プレイしたのが、作者のヘイミッシュ・ステュアートが「アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトのような感覚を取り入れたかった」と語る「Queen Of My Soul」。アトランティックの名プロデューサー、アリフ・マーディンがAWBの音楽を評した“From Marvin Gaye to Brazilian Samba to Jazz”という言葉をまさしく体現するかのような傑作で、サビで繰り返される熱くときめくようなフレーズをそのままこの曲に捧げたい。

「Queen Of My Soul」もそうだけれど、AWBの楽曲からは、マーヴィン・ゲイとレオン・ウェアがコラボレイトしたぼくの大好きなアルバム、『I Want You』の影を感じとることができるのが嬉しい。「Digging Deeper」や「Please Don't Fall In Love」、そしてディスコ旋風の吹き荒れた1978年のブラック・ミュージックとしては奇跡的に素晴らしい知る人ぞ知る名作「She's A Dream」。アイズレー・ブラザーズの「For The Love Of You」やミニー・リパートンの「Inside My Love」にも通じるこの感じ、“メロウ・マッドネス”とでも言うべきムードが好きなら、『Free Soul. the classic of Marvin Gaye』『Mellow Isleys』『Free Soul. the classic of Minnie Riperton』といったコンピレイションをぜひ聴いてみてほしい。

チャカ・カーンの名唱でも知られる「Whatcha' Gonna Do For Me」もそんなメロウなフィーリングを感じさせる哀愁ミディアム。ヘイミッシュ・ステュアートとネッド・ドヒニーという最高の顔合わせによるコラボレイションが紡ぎ出したこの曲を、“ブルー・アイド・ソウル”という言葉の甘い響きを愛するぼくは、敢えてその記念碑と呼びたい。

アース・ウィンド&ファイアーを思わせるサウンド・メイキングが眩しい「Shine」は、80年代の到来を告げるようなAOR。ぼくの中学時代、ホール&オーツがヒットを連発していた頃の風がもう流れている。まばゆいばかりの輝きを放つ「Let's Go 'Round Again」もそんな時代の空気をたっぷり吸い込んだきらめくようなディスコ・チューン。90年代半ばにFree Soulシーンで突然のように沸いた“ダンス・クラシック・ルネッサンス”の中核としてフロアを華やかに彩ったのも記憶に新しい。

「Keepin' It To Myself」「Just Wanna Love You Tonight」「It's A Mystery」といったグルーヴィーかつメロウなミディアム・ナンバーもAWBとアイズレー・ブラザーズに共通する個性として見逃せない。ココモに代表されるイギリスのパブ・ロック時代のファンキーAORバンドをも彷彿とさせる味わいが筆舌に尽くしがたい。ファースト・クラスによる好カヴァーを『Free Soul Actions』に収録した「Nothing You Can Do」も、初期の彼ららしい胸がキュンとするような隠れた名曲。マーヴィン・ゲイ「Mercy Mercy Me」への無邪気な愛情表現が微笑ましい。

今回AWBのベスト盤の選曲をする機会に恵まれて、ぼくも彼らの音楽と共に“Soul Searching”の旅をこれからも続けていこうと改めて思った。サンクス!
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