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V.A.『Free Soul. the treasure of West End』

通常価格(税込): 2,530
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Toru Hashimoto Compilation > Free Soul

ニューヨーク・ダンス・ミュージックの名門レーベル、ウエスト・エンドのきらきらとフロアを輝かせる傑作群から、摩天楼の夜景きらめくイメージで選曲された、Free Soulならではのとっておきのアーバン・メロウ・ブギー・セレクション『Free Soul. the treasure of West End』が10/3に先行入荷します。イタリア映画音楽の究極のキラー・チューンをリワークした「Sessomatto」に始まり、ラリー・レヴァンやトム・モウルトンのリミックス、人気オールド・スクール・ブレイクス「Heartbeat」のヴァリエイション、再評価著しいケントン・ニックスやアーサー・ラッセルの秘宝まで、シングルばかり全24曲(初CD化も4曲)がナイス・プライスで2枚組に凝縮。ガラージ名作の誉れ高い無敵のダンス・クラシックを満載、ニュー・ディスコ〜ビートダウン〜リエディットといった現行シーンのルーツを解き明かす決定版コンピレイションです。アプレミディ・セレソンでお買い上げの方にはもれなく(通販含む)、橋本徹・選曲のスペシャルCD-R『Free Soul ~ 2010s Urban-Jazz』(同時入荷の『Free Soul Decade Standard』と併せて2枚ともご購入の方には、それに加えて『Free Soul Erykah Badu ~ Private Edition Part Two』)をプレゼント致しますので、お見逃しなく!


『Free Soul. the treasure of West End』ライナー(橋本徹)

Where The Sun Sets And The Stars Rise

ニューヨーク・ダンス・ミュージックの名門レーベル、ウエスト・エンド黄金期の珠玉を集めた『Free Soul. the treasure of West End』、摩天楼の夜景きらめく光景をイメージしながら選曲した。ラリー・レヴァンを始め名うてのDJたちから絶大な信頼を集めるウエスト・エンドだが、きらきらとフロアを輝かせるパーティー感と共に、ブリージンなドライヴ感やネオンライトな夜の街のざわめき感も意識した、Free Soulならではのアーバン・メロウ・ブギー・セレクション。これまでのウエスト・エンド・コンピと言えば、比較的ミックス盤が多かったが、アーカイヴとしての価値も踏まえ、壮観な顔ぶれが揃った24曲の厳選シングルを、2枚組にわたって編集&ミックスなしでフル収録することにもこだわっている。

1976年にメル・シェレンによって設立されたウエスト・エンド・レコーズは、ディスコ~ガラージ~ハウスを通じてNYクラブ・シーンを支え続けてきた最重要レーベルのひとつ。その記念すべきファースト・リリースが、コンピレイションのオープニングを飾る。僕にとっては1993年にSUBURBIAセレクションでリイシューしたことでも思い入れ深い、アルマンド・トロヴァヨーリによるイタリア映画音楽「Sesso Matto」を、(今風に言うなら)リワークした10分に及ぶ完璧な構成のキラー・トラック。元来はマヌ・ディバンゴ「Soul Makossa」のイタリアン・サントラ流のヴァリエイションとして注目された曲(ヤン富田もフリッパーズ・ギターもサンプルせずにはいられなかった!)だが、これは間違いなく現在に至るリエディットの先駆けと言えるだろう。『Sesso Matto』のサントラ盤に出会って25年が経つが、その後に見つけたこの12インチがウエスト・エンドの1番(WES 12100)だったときは感激した。まだインターネットで調べることなどできなかった時代の話である。あの印象的なレーベル・ロゴもオリジナル盤では渋い色合いで印刷されていた。僕がウエスト・エンドのコンピを作るなら1曲目はこれしかない、という強い気持ちはきっと理解していただけるのではないか。リエディットのルーツという観点の重要性は、2001年の復刻12インチの際にイジャット・ボーイズがダビー&トリッピーなエディットを施していることでも証明されると思う。

ディスク1の2曲目から4曲目のメロディアスな流れは、Free Soulとウエスト・エンドの最も親密な接点と考えていて、ULTRA-VYBEから2014年にリリースされる僕のコンピレイションのダイジェスト版というコンセプトの『Free Soul Peace Island』にも、この3曲を選んでいる。ジャッキ「You Are The Star」は、「Sessomatto」に続き、今回が世界初CD化。ノーマン・ジェイやDJ NORIにも愛される、多幸感あふれるダンス・クラシックの至宝だ。フランスのディスコ・プロジェクト、ミシェルの「Can’t You Feel It」は、ラヴリー&ダンサブルで、Free Soul的にはウエスト・エンド一番人気かもしれない。マスターズ・アット・ワークもリメイクしていた、トム・モウルトンの華麗なミックスによるフィリー・シグマ・サウンド。ロウ・シルクの「Do It To The Music」は、まさにレーベル全盛期1982年のアーバンな名作。ジャングル・ブラザーズとデ・ラ・ソウルに相次いでサンプリングされ、90年代初頭に渋谷・CISCOのウエスト・エンド・コーナーで12インチを買い漁っていた僕には、このレーベルを象徴する一曲。後にマスターズ・アット・ワークやブレイズもリミックスを手がけている。

ラリー・レヴァンのパラダイス・ガラージやデヴィッド・マンキューソのロフトでも深く愛されていたアーサー・ラッセルも、僕の大好きなアーティスト。70~80年代のNYアンダーグラウンドでカリスマ的存在だった彼が、ディスコの洗礼を受けたニッキー・シアーノのギャラリーで出会ったというスティーヴ・ディクエスト(デヴィッド・マンキューソとの親交や、1975年にレコード・プールを立ち上げたことでも知られる)と組んだ伝説のプロジェクト、ルース・ジョインツの3曲もこのコンピレイションで大切な役割を果たしている。カルト的人気を誇る「Is It All Over My Face」はラリー・レヴァン・リミックスによる女性ヴォーカル・ヴァージョンで、極めて中毒性の高いブギー感の虜となってしまう。「Pop Your Funk」(このタイトルがプリントされたTシャツを僕の友人が作ってプレゼントしてくれたときはしびれた)はひどく入手困難でマニア泣かせだった1979年末の7インチ・プロモ盤から。「Tell You (Today)」はアーサー・ラッセルの心躍るハッピーな気持ちが最も伝わってくるような“New Shoes Edit”を収めている。

また、ブギーな時代の気分に呼応するように再評価著しい、ケントン・ニックス絡みの作品をたっぷり収録していることも、このコンピの大きな特徴だ。ボビー・ヤングブラッドをフィーチャーした人気ナンバー「There’s Never Been (No One Like You)」は、印象的なヴォーカル・リフレインに、スライ&ザ・ファミリー・ストーンをピッチアップしたようなベース・ラインも最高。ラリー・レヴァンも愛した女性ヴォーカリスト、ターナ・ガードナーは「No Frills」のグルーヴィーなギター・カッティングもたまらないが、やはり「Heartbeat」。ディスク2の前半は、90年前後にウエスト・エンドの12インチに触手を伸ばしていた僕にはデ・ラ・ソウルのサンプリングがタイムリーだった、このトラックのヴァリエイションを連ねている(ターナ・ガードナーもスウィート・Gも、やはりあの頃CISCOで買ったなあ)。まさに名高いオールド・スクール・ブレイクスの面目躍如という感じのパーティー・フィーリングだが、とりわけガラージ・クラシックとして知る人ぞ知るエドナ・ホルト「Serious, Sirius Sax Party」の未発表ダブの切れ味には驚いてもらえるのではないだろうか。

再評価という意味では、DJ・ハーヴィーやダニエル・バルデリも推すカナダはモントリオールのディスコ・プロジェクト、ボンバーズにも触れないわけにはいかない。スーパーサウンドというエディット・レーベルからのリイシュー、ハーヴィーによるヘヴィー・プレイによってコズミック・リヴァイヴァルの急先鋒に浮上した「Dance, Dance, Dance」はスーパーマックスのカヴァーだが、僕は空間性に富んだこだわりの“Paul Poulos Special Disco Remix”を推薦する。クリフトン・ダイソンのプロデュースで、ニック・マルティネリによるエレガントなミックスが冴えるB.T.ことブレンダ・テイラーの「You Can’t Have Your Cake And Eat It Too」も、今の12インチと言われたら信じてしまうほどの傑作アーバン・ミディアム・ブギー。ヴィブラフォンの音色も麗しい、ヒップ&スペイシーなストーン「Girl I Like The Way That You Move」や、ジョー・クラウゼルのスピリチュアル・ライフ・ミュージックからリリースされてもおかしくないような、DJ NORIが自らのミックスCDのタイトルにしていたチャック・デイヴィス・オーケストラ「Spirit Of Sunshine」も、極めて現代的な秀逸トラックと言えるだろう。

その他にも、「World In A Crisis」を収めた1974年フィリー作『Transition』がFree Soulファンには人気の高いバーバラ・メイソンの絶品アーバン・メロウ「Don’t I Ever Cross Your Mind Sometime」(僕はNYクラシック「Another Man」よりこちらを熱烈に愛する)や、ラリー・レヴァンと言えばすぐに思い浮かべる方も多いだろうピーチ・ボーイズ「Don’t Make Me Wait」、ユニヴァーサル・ラヴというゴスペル・グループ出身のカール・ビーンがラリー・レヴァンのフェイヴァリットとしても有名な世界初のゲイ讃歌「I Was Born This Way」を歌うトム・モウルトン・ミックスに、12インチ・ヴァージョンならではのドラマティックな醍醐味を堪能できるベティー・ラヴェット「Doin’ The Best That I Can」、あるいはウエスト・エンドで最もチャーミングなナンバーではないかと思うシビル・トーマス「Rescue Me」(僕は何となく、リサ・スタンスフィールドなどのポップなUKソウルを思いだしてしまう)のように、詳しく紹介したい作品は尽きない。両ディスクともラストは、貴重な初CD化の曲で締めていることも付け加えておこう。

最後に、今回は選曲の対象外としたが、1998年の復活後のウエスト・エンドの諸作も、ハウス~ニュー・ディスコを始めとするダンス・ミュージックのファンには、ぜひ掘り下げてほしいと願う。レーベル復活記念作のひとつは、カーティス・メイフィールドとのコンビで「Runaway Love」のヒットを生んだリンダ・クリフォードによる、僕が愛してやまないシャロン・リドレー「Changin’」(『Free Soul. the treasure of Tabu』でもオープニングに置いた感涙の名曲で、多くのFree Soulフリークも同じように愛しているだろう)のNYハウス・カヴァーだった。この『Free Soul. the treasure of West End』を聴いて、ニュー・ディスコやビートダウンやリエディットといった現行シーンの原点がウエスト・エンドにはある、と感じられた貴方が、そんなふうに音楽的好奇心を広げてくれたなら、コンパイラーとしてはそれ以上に嬉しいことはない。


Disc 1
01. Sessomatto〈Jim Stuard Disco Mix〉/ Sesso Matto
02. You Are The Star / Jakki
03. Can't You Feel It / Michele
04. Do It To The Music / Raw Silk
05. Rescue Me / Sybil Thomas
06. Girl I Like The Way That You Move / Stone
07. Is It All Over My Face〈Larry Levan Female Vocal Version〉/ Loose Joints
08. No Frills〈Party Version〉/ Taana Gardner
09. You Can'T Have Your Cake And Eat It Too / B.T. (Brenda Taylor)
10. There's Never Been (No One Like You) / Kenix feat. Bobby Youngblood
11. Spirit Of Sunshine / The Chuck Davis Orchestra

Disc 2
01. Heartbeat〈7" Version〉/ Taana Gardner
02. Serious, Sirius Sax Party〈The Unreleased Dub〉/ Ednah Holt
03. No Sense〈Club Mix〉/ D'Bora
04. A Heartbeat Rap / Sweet G
05. Dance, Dance, Dance〈Paul Poulos Special Disco Remix〉/ Bombers
06. Don't I Ever Cross Your Mind Sometime / Barbara Mason
07. Don't Make Me Wait〈Extended Version〉/ Peech Boys
08. Pop Your Funk〈7" Version〉/ Loose Joints
09. Tell You (Today)〈New Shoes Edit〉/ Loose Joints
10. I Was Born This Way〈Tom Moulton Mix〉/ Carl Bean
11. Doin' The Best That I Can〈A Special New Mix〉/ Bettye LaVette
12. Just In Time / Raw Silk
13. Touch Your Life / George And Glen Miller
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